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ノートパソコンの次世代記憶装置「SSD」

2008年4月10日

  • 筆者:法林岳之

写真東芝 dynabook SS RX1に搭載されている128GBのフラッシュメモリードライブ

写真世界初の128GBのフラッシュメモリードライブを搭載した東芝 dynabook SS RX1

 パソコンにはデータなどを保存する場所として、ハードディスクが搭載されています。最近、モバイルノートパソコンではハードディスクの代わりに、「SSD(Solid State Drive)」と呼ばれるフラッシュメモリーを使ったドライブを搭載したモデルが登場しています。今回はハードディスクに代わる記憶装置として、注目を集めている「SSD」について、説明しましょう。

 ハードディスクは磁性体が塗られたディスクを毎分数千回転以上の速度で回転させ、磁気ヘッドを利用して、データを読み書きする記憶装置です。現在では文庫本程度の大きさで、数百GB以上の容量を持つハードディスクが開発・製造されています。パソコンが登場したばかりの頃は、記憶装置としてフロッピーディスクが広く利用されていましたが、大容量のデータを高速に読み書きできることから、ハードディスクがまたたく間に普及し、現在ではパソコンだけでなく、テレビやレコーダー、デジタルオーディオプレーヤー、カーナビといったデジタル家電製品にも採用されるようになりました。

 パソコンなどのデジタル製品で利用するものには、ハードディスクの他にも同じように、データを保存できる製品がいくつかあります。たとえば、デジタルカメラで撮影した画像を保存するメモリーカード、USBポートに接続するUSBメモリーなどがそうです。おそらく読者のみなさんも一度くらいは手にしたことがあるでしょう。これらの製品には「フラッシュメモリー」と呼ばれる書き換え可能な半導体メモリーが採用されています。パソコン本体の内蔵メモリーと違い、フラッシュメモリーは電源を切っても消えない不揮発性メモリーなので、書き込んだデータを保存しておき、あとで読み出すことができるわけです。

 このフラッシュメモリーを使い、ハードディスクと同じようなドライブとして作られたものが「SSD」です。「フラッシュメモリードライブ」とも呼ばれます。SSDはハードディスクと違い、ディスクを回転させたり、読み書きのときに磁気ヘッドを移動させるといった動作がないため、可動部分がなく、消費電力が抑えられるうえ、落下時などの衝撃にも強いという特長があります。データの読み書きも高速なため、OSやデータを保存するドライブとして、ハードディスクの代わりにSSDを採用することで、パソコン全体の動作速度を向上させることもできます。

 すでに、国内外のメーカーからは、SSDが搭載されたパソコンがいくつか販売されています。たとえば、米アップルの「MacBook Air」、ソニーの「VAIO typeT」「同 typeG」、東芝の「dynabook SS RX」、レノボの「ThinkPad X300」などでは、SSD搭載モデルを選ぶことができます。また、周辺機器メーカーからはUSBポートに接続する外付けタイプのSSDも販売されています。

 ハードディスクから置き換える次世代の記憶装置として、注目を集めているSSDですが、コストや容量の面に課題が残されています。現在、モバイルノートパソコンには少なくても80GB、大容量なら250GBのハードディスクを搭載したモデルがラインアップされています。これに対し、SSDはほとんどのノートパソコンに搭載されるものが64GBで、今年3月にノートパソコンとしては世界で初めて128GBのSSDが搭載された「dynabook SS RXシリーズ」が発表されたばかりです。つまり、SSDはハードディスクほど、大容量化が進んでいないわけです。価格面で比較してみると、80GBのハードディスクを搭載したモデルの実売価格が約18万円に対し、64GBのSSD搭載モデルは約27万円と10万円近い差があります。つまり、SSD搭載モデルは容量あたりの単価で考えても割高なのです。

 ただ、SSDに採用されているNAND型フラッシュメモリーは価格競争が激しく、コストダウンも進んでいるため、今年はモバイルノートパソコンを中心にSSD搭載モデルが増え、来年あたりから一気に普及するのではないかとも言われています。

プロフィール

法林岳之(ほうりん・たかゆき)

ITジャーナリスト。パソコンや携帯電話など、幅広いデジタル製品の試用レポートや解説記事を執筆。携帯電話関連では業界No.1サイト「ケータイ Watch」にも連載中。「できるWindows Vista」「できる入門 今日からはじめるパソコン Windows Vista 対応」(インプレス刊)など著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。

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