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迷惑メール対策で、メール送信ができなくなる?

2008年4月17日

  • 筆者:法林岳之

写真マイクロソフトの電子メール、スケジュール管理ソフト「アウトルック2003」にある電子メールの詳細設定画面。ポート番号が確認、変更できる

 メールは仕事にもプライベートにも欠かすことができないコミュニケーション手段のひとつです。しかし、迷惑メール対策の影響で、突然、メールが送信できなくなってしまうことがあります。今回は「Outbound Port 25 Blocking」という迷惑メール対策について、解説しましょう。

 パソコンではメールを送受信するとき、通常、メールソフトを使います。普段はあまり意識していませんが、メールソフトでメールの送受信をするときは、自分宛に届いたメールを受信用メールサーバーから受信し、自分が送るメールは送信用メールサーバーから送信しています。一度、メールソフトにアカウントやメールサーバー名などを設定してしまうと、その後はほとんど変更することがないため、あまり設定項目を覚えていないかもしれませんが、メールをやり取りするメールサーバーは、通常、送信用と受信用をそれぞれ個別に設定するしくみになっています。これはメールの送信と受信では、やり取りする通信手順などが異なるためです。

 ところで、メールと言えば、みなさんも迷惑メールに少なからず悩まされていることでしょう。ここ数年、迷惑メールに対処するため、プロバイダー各社ではさまざまな対策を実施してきましたが、なかでも2年ほど前から積極的に採用されているのが「Outbound Port 25 Blocking(以下、OP25B)」という対策です。

 少し専門的な説明になりますが、インターネットで送信メールサーバーからメールを送信するとき、「TCP」と呼ばれる通信方法の「25番」というポート(窓口)を使います。OP25Bはプロバイダー各社の会員以外のユーザーが25番ポートを使わないようにブロックすることで、迷惑メール業者に迷惑メールを送信させないようにする対策なのです。仮に、迷惑メール業者がプロバイダー各社に契約を申し込み、迷惑メールを送信してもプロバイダー各社は利用を停止したり、契約を解除したりするといった対策ができます。つまり、悪意のある迷惑メール業者やユーザーに、プロバイダー各社の送信メールサーバーを使わせないようにできるわけです。

 ただ、このOP25B対策を実施すると、一般のユーザーが影響を受けることがあります。というのもOP25B対策が実施されることで、一部のブロードバンド(高速大容量)回線から利用するときや他のプロバイダーからメールを送信するときに、同じように送信制限を受けてしまうからです。最近ではブロードバンド回線が普及したことで、ユーザーによっては、より割安にブロードバンド回線を利用したいなどの理由で、加入しているプロバイダーとは別のプロバイダーと契約するケースがあります。その際、メールアドレスは従来のプロバイダーのものを継続して使うようにすると、「ブロードバンド回線の契約はプロバイダーA社、メールは以前利用していたプロバイダーB社」といった形で利用することになります。その結果、インターネットに接続するプロバイダーとメールを送信するプロバイダーが異なることになり、OP25B対策の影響を受け、メールが送信できなくなってしまうわけです。

 そこで、プロバイダー各社ではこのような影響を受けるユーザーのために、メールを送信する方法をいくつか提供しています。もっとも広く採用されているのが「Submission(サブミッション)ポートによるメール送信」です。Submissionポートはメールソフトからメールを送信するときに利用する専用のポートのことで、前述のTCPと呼ばれる通信方法の587番ポートを使います。メール送信時には受信時と同じように、認証(SMTP認証)が必要になるため、その送信用メールサーバーの利用が許可されたユーザーのみがメールを送信できます。こう書いてしまうと、非常に難しそうですが、実際にはメールソフトの設定画面で、送信メールのポート番号を「25」から「587」に変更し、送信メールサーバーの項目にある「このサーバーは認証が必要」にチェックを付ける程度です。

 もし、新たにブロードバンド回線を契約するなど、インターネットに接続する環境が変わったとき、メールの受信ができるのに送信ができないようなトラブルが起きたときは、OP25B対策に引っかかっている可能性があります。プロバイダーによって、設定方法は少しずつ違うことがありますが、プロバイダー各社やOP25B連絡会のホームページでは、OP25B対策についての解説やSubmissionポートの設定に関する情報を掲載しているので、それらを参考に設定をしてみてください。

プロフィール

法林岳之(ほうりん・たかゆき)

ITジャーナリスト。パソコンや携帯電話など、幅広いデジタル製品の試用レポートや解説記事を執筆。携帯電話関連では業界No.1サイト「ケータイ Watch」にも連載中。「できるWindows Vista」「できる入門 今日からはじめるパソコン Windows Vista 対応」(インプレス刊)など著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。

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