2008年7月3日
NTTドコモのSH906iで利用できるBluetoothキーボード「CPKB/B T」(アイ・オー・データ機器)
充電機能を持つ革製ケースが付属するBluetoothヘッドセット「Discovery 925」(日本プラントロニクス)、7月11日発売予定
ケータイやパソコン、デジタル音楽プレーヤーなどを他の機器と接続するとき、通常は何らかのケーブルを利用しますが、「Bluetooth(ブルートゥース)」を使えば、これらの接続をワイヤレスにすることができます。今回は利用シーンが広がり始めたBluetoothについて、説明しましょう。
Bluetoothは数メートルの範囲内にある複数の機器を微弱な電波で接続したり、信号のやり取りをワイヤレスにできる無線通信規格のひとつです。おそらく、みなさんもケータイのカタログなどで、「Bluetooth」という言葉は見かけたことがあるでしょう。Bluetoothの規格そのものは1999年に最初のバージョンが発表されましたが、対応製品が増えず、なかなか普及が進みませんでした。しかし、数年前から国内でも少しずつ対応製品が増えはじめ、最近では店頭でも多くの製品を見かけるようになってきました。なかでも道路交通法の改正によって、運転中のケータイの利用が取り締まられるようになり、ハンズフリーのニーズが高まったことは、影響が大きかったようです。
Bluetoothに対応したケータイは、ソフトバンクが旧ボーダフォンの時代からラインアップしてきましたが、今年に入り、auが端末の共通プラットホームで標準採用したため、auの夏モデルでは半分以上がBluetoothに対応するほど、ラインアップが充実しました。NTTドコモではPanasonic製端末が積極的にBluetoothに対応してきましたが、今夏はシャープも「SH906i」でBluetoothに対応しました。通常のケータイではありませんが、スマートフォンなどはBluetooth対応のものが多くなっています。
また、ケータイ以外にもBluetoothは活用されています。パソコンは言うまでもありませんが、身近なところではソニー・コンピュータエンタテインメントが販売するゲーム機の「PS3」や任天堂の販売するゲーム機「Wii」がワイヤレスコントローラを実現する無線通信技術にBluetoothを採用しています。カーナビゲーションシステムもオプションでBluetoothに対応するものが増えています。
Bluetoothの具体的な使い道で、もっとも多いのは通話時のイヤホンマイクです。ただ、ケータイの場合、耳にBluetoothのイヤホンマイクを装着し、まるで独り言をしゃべるかのように、街中を通話しながら歩くのは、少々気恥ずかしいところです。しかし、家の中で長電話をするときは手が疲れないのでラクですし、居間でもキッチンでも書斎でも電波の届く範囲なら、自由に移動できます。オフィスでも両手が空くので、パソコンを使いながら、電話をするときにも便利です。街中でもあまり歩き回らず、手にケータイを持って通話をしていれば、それほど違和感があるようには見えないかもしれません。
音楽再生もワイヤレスが便利です。ポケットやカバンにデジタル音楽プレーヤーを入れたまま、Bluetoothヘッドホン(ステレオイヤホン)で音楽が楽しめ、ケーブルの煩わしさから解放されます。iPodなどは本体にBluetoothを搭載していませんが、市販のBluetoothアダプターを接続すれば、ワイヤレスで利用できます。リモコン機能を利用できる製品もあり、音量調節や曲の早送り/巻き戻し/スキップなども本体を取り出すことなく、操作ができます。
ワンセグも同じようにワイヤレスで音声を楽しめますが、音楽再生機能とは別に条件があります。Bluetoothヘッドホンが著作権保護機能の「SCMS―T」という規格に準拠していなければ、ワンセグの音声を楽しむことができません。国内メーカーの製品は大半が対応していますが、なかには非対応の製品もあるので、購入時には必ず確認することをおすすめします。
パソコンではケータイをデータ通信で利用したり、Skypeなどのアプリケーションを使うときのイヤホンマイクにもBluetooth対応のものをよく利用します。あまり種類は多くありませんが、Bluetoothによるワイヤレスで利用できるキーボードやマウスもよく使われています。ちなみに、前述のSH906iはBluetoothキーボードを接続するプロファイルをサポートしており、メール作成などで、Bluetoothキーボードから文字入力をできます。Bluetoothキーボードには乾電池で動作するコンパクトなものも販売されています。
この他にも全地球測位システム(GPS)レシーバーやデジタルペンなど、次々と新しいBluetooth対応製品が登場しています。もし、お使いのケータイがBluetooth対応なら、まずはイヤホンマイクあたりからBluetoothデビューをしてみませんか?

ITジャーナリスト。パソコンや携帯電話など、幅広いデジタル製品の試用レポートや解説記事を執筆。携帯電話関連では業界No.1サイト「ケータイ Watch」にも連載中。「できるWindows Vista」「できる入門 今日からはじめるパソコン Windows Vista 対応」(インプレス刊)など著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。