ライター 斎藤幾郎、西田宗千佳
BlackBerry Bold(NTTドコモ、3月11日現在一時販売停止中)
iPhone 3G(ソフトバンク)
S001(au)
830N(ソフトバンク)
WX340K(ウィルコム)
H12HW(イー・モバイル)
斎藤●携帯電話は、ソフトバンクやauらが春モデルを追加したけれど、NTTドコモは冬モデルのうち発売日が遅かったものがようやく出てきた状態だね。他社の春モデルも、「ものすごく新しい」というような目立つ新機能を売りにする機種はほとんどなくて、実質的にデザインやソフトを改良しただけというような機種も多い。
西田●逆にいえば、新機種に惑わされず、機種をおちついて選びやすい、といえるかもしれません。新機種は一般的な携帯電話に集中しており、スマートフォンはお休み、といったところですね。まあ、ユーザー数や開発工数などを考えると当然のことなんですが。ですから、スマートフォンを選びたい人は、主に発売済みのモデルから選ぶことになります。
斎藤●ドコモからは2月20日にスマートフォンの「BlackBerry Bold」が発売されたのだけれど、充電中に発熱する場合があることが明らかになって、一週間で販売停止になってしまった。BlackBerry シリーズは、カナダのResearch In Motion社が開発したスマートフォンで、独自のOS(基本ソフト)を搭載している。横長の画面に小さなキーボードがついたデザインで、画面操作は小さなボール(トラックボール)を使うという特徴もある。企業システムと連携するサーバーシステムも用意されていて、欧米では電子メールを中心に使うエグゼクティブやビジネスマンに人気が高い。オバマ米大統領が愛用していることでも有名だよ。一方、ソフトバンクは「iPhone 3G」の8GBモデルを5月31日までの期間限定キャンペーンで、新規契約なら実質負担0円で購入できるようにした。気になっていた人は購入のチャンス。
西田●16GBのモデルでも、毎月の分割支払金が480円ずつ発生するだけなので、ずいぶん負担は小さくなりました。それに、パケット利用料金の上限も、5985円(税込み)から4410円(同)に引き下げられています。iPhoneだけに限らず、「手頃な旧モデル」は増加する傾向にあります。現在、携帯電話は基本的に「2年で完済する割賦販売」ですが、1シーズンから2シーズン前の機種の場合、「9800円で一括販売、毎月の実質負担金もごくわずか」といった、俗に「スーパーボーナス一括」「バリュー一括」などと呼ばれる形式で販売されることも少なくありません。旧機種とはいえ、性能は十分であり、かなりお買い得なので、最新機種以外にも目を配るようにしたいところです。
斎藤●とはいえ、目を引くのはやはり新機種。auだと、ソニーのコンパクトデジタルカメラのブランド名を冠した「Cyber―shotケータイ」こと「S001」に注目。携帯電話としてはトップクラスの808万画素の撮像素子を搭載し、「おまかせシーン認識」や人物の笑顔に合わせてシャッターを切る「スマイルシャッター」など、まさに専用のデジタルカメラと同様の性能を持っている。しかもS001は携帯電話だから「撮ってすぐアップロード」ができる。背面のカバーをスライドさせるとレンズが出てくるあたりのデザインもサイバーショットっぽい。ただ、画面やキーの側のデザインはいまひとつなのが残念。
西田●個人的には、ソフトバンクもauも、率直に言って冬モデルに比べると小粒な印象があります。しかし、デザインやシンプルさを打ち出す機種の中には、気になるものも少なくありません。ソフトバンクの新機種の中で、私が気に入ったのはNEC製の「830N」。薄型スライドで、シンプルかつ清潔感のあるデザインが特徴です。一見板状に見えつつも、スライドすると本体がゆるやかにカーブを描いているのが面白い。
斎藤●主要3社以外からも春モデルが出ている。スマートフォンの「W―ZERO3」系列以外では端末の多機能化があまりすすんでいなかったウィルコムは、ついに初の「おサイフケータイ」対応となる「WX340K」を発売した。これで、買い物や交通機関の利用ができるようになったわけだ。紛失、盗難時に操作をロックする機能もちゃんとある。
西田●ウィルコムというと「通信重視の人」か「とにかく安く通話したい人」向け、という印象が強いのですが、おサイフケータイに対応したことで、より「普通のケータイ」として選んでもらいやすくなりましたね。それに対してイー・モバイルは、「通信特化でシンプル」の方に向かっています。「H12HW」は、ごくシンプルなストレート型携帯に見えますが、簡単にパソコンに接続して、高速通信サービス用モデムとして使えるのが特徴。2年間契約時の価格が5180円と非常に安く、一般の携帯とは逆に「基本はモデム、時々通話」といったサブ的な使い方に向いています。
◇ ◇
◆「BlackBerry Bold」 製品情報(NTTドコモのホームページへ)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beで「デジタル若葉マーク」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「グーグル100%利用術」(同)、「てくの生活入門」(講談社、一部を担当)がある。

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの」(朝日新書)、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)がある。
内側はフェルト付き。ラバーコーティングの手触りが◎
フランス生まれの高級ハンドメイドストラップ
パソコンとのシンクロ機能とUSBポートからの充電が可能