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「どこでも無線LANルーター」でモバイル端末を生かせ(1/2ページ)

2009年2月19日

  • 筆者:斎藤幾郎・西田宗千佳

写真拡大図:上が一般的な無線LANルーターの、下が「どこでも無線LANルーター」での通信の模式図。要は、ブロードバンド回線の代わりに携帯電話回線を使うもの、と思えばいい(図版制作:澤田朋宏)

写真画像1:ウィルコムが3月に発売を予定している「どこでもWi―Fi」。価格はまだ未定だが、24カ月の分割で購入するプランの場合、頭金+月額1980円(通信費込み)で利用できる

写真画像2:CradlePoint社(日本販売代理店:コミューチュア)の「PHS300」(1万9800円・税込み)。別途USB接続可能な無線通信サービス端末が必要。多くの場合、イーモバイル社のUSB接続タイプの端末で利用されている

写真画像3:インターネットイニシアティブが3月下旬から発売を予定しているモバイル・ブロードバンドルーター「クティオ」(標準価格1万9740円・税込み、5月31日までに同社サービス「IIJmio」と契約した場合9870円・同)。専用の内蔵バッテリーで最大100分の通信が可能

写真画像4:イーモバイルのスマートフォン「Touch Diamond S21HT」。電話などももちろん可能だが、WMWiFiRouterを導入だけで、簡単にどこでも無線LANルータになる。コンパクトさが魅力

 パソコンは当然のことながら、いまや様々な機器に普及した「無線LAN」。無線で高速な通信が、しかも気楽にできるのは、やはり便利なものです。しかし、おそらくほとんどの人は、無線LANを自宅くらいでしか使っていないのではないでしょうか。公衆無線LANもありますが、利用できる場所が限られており、携帯電話のように自由に使うのは難しいのが実情です。が、そんな常識は変わりつつあります。静かに利用者が広がる「モバイル無線LANルーター」の世界をご紹介します。(西田宗千佳)

携帯電話網を併用し「どこでも無線LAN」を実現

 まずは前提知識として、無線LANについてご説明しましょう。

 無線LANとは、「IEEE802.11」という国際規格に基づいた通信方式で、「Wi―Fi(ワイファイ)」とも呼ばれます。免許などがなくても自由に使える電波帯域を利用する上に、携帯電話などに比べ非常に出力が小さいため、様々な機器に組み込まれています。現在はパソコンのほかに、「ニンテンドーDS」や「PSP」などの携帯ゲーム機やデジカメ、iPod Touchなどの通信機能を持った音楽プレーヤーでも使われていて、おなじみのものでしょう。

 無線LANを利用する場合には通常、無線LANが組み込まれた「端末(クライアント)」と、端末とインターネット回線の間を無線でつなぐための「アクセスポイント」の組み合わせで利用します。中でも現在は、アクセスポイント機能と、1つのインターネット回線で、複数の機器を同時にインターネット接続するための「ブロードバンドルーター」を組み合わせ、複数の機器から同時に無線LANでインターネットを利用可能にした「無線LANルーター」が使われる場合が多いようです。

 無線LANが、携帯電話のように「どこでもつながる」ものでない理由は、すでに述べたように、「携帯電話より、はるかに弱い電波しか使っていない」からです。携帯電話が、基地局から半径数キロメートル以内で使えるのに対し、無線LANは、アクセスポイントから、直径数十メートル以内でしか利用できません。日本中にアクセスポイントを張り巡らせてはコストがかかるため、現在は、空港や駅、ファストフード店などの特定の場所で、「公衆無線LANサービス」が利用できるだけとなっています。

 ですが、ちょっと考えてみてください。

 インターネットは、なにもADSLや光ファイバーだけではありません。携帯電話網を使ってアクセスすることもできます。

 ならば、前出の「無線LANルーター」の先を、家庭のブロードバンド回線ではなく「携帯電話網」にして、バッテリーで動くようにしてしまえばどうでしょう?(図) 携帯電話の電波が届くところならば、どこでも無線LANが使える「どこでも公衆無線LANルーター」ができあがるわけです。

「わざわざそんなことをせずに、携帯電話を使ってネットをすればいい。携帯電話自身で見るのがいやなら、パソコンに直接つなげばいい」だって?

 確かにその通り。

 ですがその場合、無線LAN以外の通信に対応していない、ゲーム機などの機器では利用できないことになります。どこでも無線LANが使えるようになると、それだけ「どこでも使えるモバイル機器」の選択肢が広がるということになるわけです。

 無線LANの場合、同時に複数の機器で通信ができるのも魅力的なところでしょう。例えば、複数の人間が同時に外出先でネットを使いたい時や、パソコンと携帯機器を同時に使いたい時などにも役立ちます。

 また、USBでパソコンを携帯電話網につなぐ場合には、ソフトのインストールや設定はもちろん、毎回の「接続作業」が必要になりますが、無線LANならばOSに最初から機能が搭載されていますし、接続もほぼ自動なので、「自宅と同じ感覚」でネットが使いやすい、という利点も生まれます。

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プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beで「デジタル若葉マーク」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「グーグル100%利用術」(同)、「てくの生活入門」(講談社、一部を担当)がある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの」(朝日新書)、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)がある。

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