2009年4月30日
画像1:バッファローのUSB接続型ワンセグチューナー「DH―KONE/U2V」。パソコンに接続して、ワンセグ番組の視聴と録画ができる
画像2:SDカードの著作権保護機能に対応した、パナソニックのUSB接続型のメモリーカードアダプター「BN―SDCKP3」。ほとんどのパソコンでは、持ち出しにこの種の機器が必要
画像3:「ワンセグ持ち出し」対応録画機能を備えた東芝の液晶テレビ「レグザ Z8000」シリーズ。元々、外付けハードディスクへの録画機能を持ち、画質と機能の両面で人気の機種
画像4:「ワンセグ持ち出し」機能に対応したパナソニックの「ディーガ DMR―BR550」。いま現在、もっとも手ごろなブルーレイディスク・レコーダー。ブルーレイディスクの再生品質も高い
画像5:「おでかけ転送」に対応したソニーのブルーレイディスク・レコーダー「BDZ―A750」。ソニー・コンピュータエンタテインメントが発売するゲーム機「PSP」や、ソニーのウォークマンのうち動画再生対応の機器と連係する
電車やバスなどでの移動中、「好きなテレビ番組などを見て過ごしたい」と思う方は少なくないでしょう。すでに携帯電話内蔵のワンセグテレビ機能を使い、そういったニーズを満たしている人もいるかも知れません。さらに最新のテレビやビデオレコーダーを組み合わせると、「持ち出し」の自由度が高まります。今回は、そんな「外で映像を楽しむ方法」を解説してみましょう。(西田宗千佳)
ワンセグを活用して「録画番組」を持ち出し
すでに述べたように、外でテレビ番組などを見る一番手軽な方法は「ワンセグ」です。携帯電話をはじめ「ワンセグ内蔵機器」が増えているため、視聴も非常に簡単です。
しかし、これらの機器の多くは「生視聴」を基本としたもの。地下鉄の中など、電波の入らないところでは視聴が難しく、意外と不便です。携帯電話などには録画機能を備えたものもありますが、これも電波が入らない場所では録画がうまくいかないので、意外と活用しにくいのが実情です。
とするならば、方法はひとつ。自宅にあるテレビやビデオレコーダーなどを使って番組を録画して、それを転送すればいいのです。
意外と知られていないことですが、「ワンセグ録画」の記録方法は、多くの機器で共通のものが使われています。ですから、「SDメモリーカードに記録されたワンセグ映像を再生する機能」を持った携帯電話のほとんどが、ほかの機器で録画した映像をメモリーカードへと転送して、視聴することができます。すでに録画されたデータをそのままメモリーカードへ「コピー」するだけなので、30分や1時間の番組を転送する場合でも、数分以内に作業は完了します。忙しい朝の時間でも、さほど手間はかかりません。
「ワンセグ録画」の一番安価な方法は、パソコンに接続する「USBタイプ」のワンセグチューナーを利用するものです(画像1)。現在、バッファローやアイ・オー・データ機器から発売されているパソコン・USB接続タイプのワンセグチューナーの場合には、パソコンで録画した番組をメモリーカードに転送して楽しむ機能が標準的に装備されています。価格は数千〜1万円前後と、金銭的負担もさほど大きくありません。録画した番組は、携帯電話だけでなく、携帯ゲーム機「PSP(プレイステーション・ポータブル)」でも視聴可能です。画面が大きく見やすいので、画質にこだわる方にはPSPの方がお勧めです。
ただしこの方法には問題点もあります。SDカードへ番組をコピーする場合には、著作権保護の問題から、「専用のソフト」を使い、「著作権保護機能をもったSDカードスロット」を使って転送する必要があります。ソフトはチューナーに付属するので問題ないのですが、問題は後者。ほとんどのパソコンに内蔵されているSDカードスロットや、安価なUSB接続タイプのSDカードアダプターは、著作権保護機能をもっていないため、転送ができません。別途、パナソニックの「BN―SDCKP3」などの著作権保護機能対応アダプターを購入する必要があります(画像2)。おおよそ5千円程度の負担になります。なお、PSPの場合には、USBでパソコンと接続すると、PSP本体が著作権保護機能付きのメモリースティックアダプターになるため、別途アダプターなどは必要ありません。
1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beで「デジタル若葉マーク」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「グーグル100%利用術」(同)、「てくの生活入門」(講談社、一部を担当)がある。新刊「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエーティブ)が3月19日に発売!
1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの」(朝日新書)、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)がある。