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噂の「iPad」登場! 米アップル・プレスイベント詳報(1/3ページ)

2010年1月28日

  • 筆者:斎藤幾郎・西田宗千佳

写真拡大画像1:iPadをかかえる、アップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏。9.7型の液晶を採用し、iPhoneをそのまま4倍くらいに拡大したような外観をしている(撮影:西田宗千佳)

写真拡大画像2:iPadのデモは、ほとんどが「ソファーに座る」形で行われた。iPhoneのような純粋に外で使う機器、というよりも、リビングや自室で気軽に使うもの、という位置づけであるからだろう(撮影:西田宗千佳)

写真拡大画像3:iPhoneとの比較。サイズはまさに「大人と子供」といった印象。だが、画面や操作性はほぼ共通であり、iPhoneユーザーならすぐに使いこなせるだろう(撮影:西田宗千佳)

写真拡大画像4:iPhone同様、傾きセンサーが内蔵されていて、縦持ち・横持ち両方で利用できる。標準搭載のアプリケーションのアイコンも、iPhoneでおなじみのもの(撮影:西田宗千佳)

写真拡大画像5:iPhone用ソフトは、基本的にすべてそのまま動作する。ただし、iPhone専用ソフトは小さいままの画面か、それを縦横2倍に拡大した画面で使うことになる。もちろん、iPad用ソフトはフル画面で動作する(撮影:西田宗千佳)

写真拡大画像6:ウェブ表示は、すでに日本語の表示もOK。iPhone同様高速で非常に美しい。ただしこちらもiPhone同様、Flashには対応していない(撮影:西田宗千佳)

写真拡大画像7:価格は499ドル(無線LAN+内蔵メモリー16GB)から。3G携帯電話網での通信機能を持ったものは、それぞれ130ドルづつプラス。もっとも高価なモデルは829ドル(メモリーは64GB)になる(撮影:西田宗千佳)

 1月27日午前(現地時間)、アメリカ・サンフランシスコ市内にて、米アップル社は新製品である、タブレット型端末「iPad(アイパッド)」に関するプレスイベントを開催しました。

 同社のタブレット型端末については、IT・出版業界を中心に、2009年夏くらいから、その機能やサービスに関する噂が飛び交っていました。発表時期が明らかになったのはつい先日のこと。「Come see our latest creation.」(我々の最新作を見にいらしてください)と題した招待状が発送され、それにつれ報道も過熱し始めていました。

 今回ついに、同社CEOであるスティーブ・ジョブズ氏自らが登場し、その「噂の正体」を明かしました(画像1)。

 現地から、発表の模様と商品・サービスの詳細をお伝えします。(西田宗千佳)

写真特集:写真で見る「iPad」

動画:電子書籍やメール機能の動作を動画で

狙うのは「ネットブック・キラー」

「アップルは、いまや世界最大のモバイルデバイス・カンパニーになった。ソニーよりも、サムスンよりも、ノキアよりも大きい」

 ジョブズ氏は、会見の冒頭、そう宣言しました。事実、同社の業績は絶好調。それを支えているのは、音楽プレーヤーのiPodであり、ノートパソコンのMacBookであり、もちろん、携帯電話のiPhoneです。モバイル機器のほとんどで大きなシェアを持ち、成長を続けるからそこの自信でしょう。

 そんな彼が次に指摘したのは、次のような「すき間」です。

「iPhoneとMacBookの間に“何か”ある。最近は、そこでネットブックが使われることが多いけれど、ネットブックはいいものではない。遅いし、画面もきれいでないし、PCのソフトしか使えない。いいのは安いことだけだ」

 ジョブズ氏のいうすき間とは、「自宅の外でもなく、オフィスでもない時間や空間」のこと。例えばテレビを見ているとき、ネットで何かを調べたいと思ったらどうするでしょうか? 友人や家族が集まっているとき、写真をみんなで見るには何を使うでしょうか? 生活の中には、「ネットやIT機器の力が欲しい」シーンが意外とたくさんあります(画像2)。現在は、そこをノートパソコンや携帯電話で「むりやり埋める」ことが多いでしょう。ですが、ジョブズ氏はそうではない、と考えているようです。

 そして、その「すき間」に最適な機器として、アップルが提案したのが、今回発表された「iPad」です。事前の噂では「電子書籍端末」と言われていましたが、ふたをあけてみれば、その正体はむしろ「ネットブック・キラー」だったわけです。逆にいえば、「小さくて軽くてどこにでも持ち運べる、小さな機器」の登場を望んでいた人向けのものではない、ということです。

 ご覧の通り、iPadはiPhoneと同様、タッチパネルだけを持ち、キーボードがない機器です。デザイン的にも、ほぼiPhoneのそれを踏襲しています(画像3)。単に大きくなっただけにも見えますが、実は見ての通り「サイズ」が違うことが大きな意味を持っています。

 iPadの画面は9.7インチ、1024×768ドット。ちょっと前のモバイルPCと、似たようなディスプレーです。ですからiPhoneと違い、パソコン用のウェブサイトを、ほぼそのままの形で、あまり縮小や拡大をすることなく見られる、ということになります(画像4)。

 画面の大きさは、ほかのアプリケーションでも有効に働きます。メールや地図、カレンダーといった、iPhoneでおなじみの機能も、より情報量が多く、わかりやすく見やすい画面で使えます。一見パソコンと同じ操作方法にも見えますが、実際にはiPhone同様「1アプリで全画面を占有」する形になっているので、操作が比較的シンプルである、というのも利点の一つです。

 しかも、肝心の動作はとても高速。ウェブの閲覧や写真の表示については、解像度がiPhoneの4倍以上になっているにも関わらず、iPhone 3GSに比べても、さらに高速でなめらかです。iPadの良さの一つは、「大きさでも、スピードでも、余裕をもって使えるiPhone」という側面があるのは、間違いないでしょう。

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プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beで「デジタル若葉マーク」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「グーグル100%利用術」(同)、「てくの生活入門」(講談社、一部を担当)がある。新刊「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエーティブ)が3月19日に発売!

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの」(朝日新書)、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)がある。

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