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人気の情報管理サービス「Evernote」、日本語化で何が変わる?(1/2ページ)

2010年3月11日

  • 筆者:斎藤幾郎・西田宗千佳

写真拡大画像1:Evernote 日本語版(ウィンドウズ用)。メニューなども日本語化されている

写真拡大画像2:ブラウザー上で動作するウエブ版のEvernote。Evernote用のソフトを入れていないパソコンや、パソコン以外の機器から利用する場合に便利

写真拡大画像3:Evernoteの利用状況。マックとウィンドウズの両方で使われているほか、iPhoneでの利用も多い。今後はアンドロイド携帯の利用率も増えると期待されている

写真拡大画像4:フィル・リビン最高経営責任者(CEO)

写真拡大画像5:アメリカ国内を除いたEvernote利用率。日本ユーザーの比率が圧倒的に多く、日本での人気のほどがうかがえる

写真拡大画像6:Evernote(英語版)の利用例。「Evernote」の文字を検索してみると、画像の中にある「Evernote」という文字まで検索される。これが「画像認識機能」の威力。90日以内に日本語でも利用可能になる

 このところ、仕事術に興味があるユーザーに人気のサービスがあります。それがエバーノート社(米カリフォルニア)の情報管理サービス「Evernote(エバーノート)」。実は筆者も毎日利用していて、自著「iPhone仕事術!」(朝日新聞出版 )を含め、たくさんの原稿で紹介しています。そんな「Evernote」が、ついに日本でのビジネスを本格化します。今回は改めてEvernoteをご紹介しつつ、近日中にスタートする「日本展開」についてもご説明していきます。(西田宗千佳)

無料で使えて「無限」の情報を保存

 まず、Evernoteがどのようなサービスなのか、おさらいをしておきましょう。

 日常には、様々な「覚えておきたいこと」があります。全部をきちんと記憶しておければそれに越したことはないのでしょうが、人間はそんなに便利にはできていません。ですから、メモをとっておくことが重要になります。

 でも、そのメモはどのように管理しているでしょうか? 紙では、たくさんあると整理や管理が大変ですし、パソコンでは、ちょっとしたメモでもいちいち文書ファイルの形で保存するのは面倒です。いずれも、検索はなかなか難しく、蓄積した情報から必要なものを後々探すのは、簡単ではありません。

 そこで登場するのがEvernoteです。Evernoteとは、英語で「永遠記録」。文字通り、残しておきたいメモをどんどん記録して活用することに特化したものです。現時点では、パソコン用のソフトとしては、ウィンドウズ版(画像1)やマック版があります。

 Evernoteは、簡単にいえばメモを綴じた「バインダー」のようなものです。テキストメモやウエブの情報などにタイトルをつけ、「綴じ込んで」まとめておくことで、管理を簡単にしてくれます。特にウエブについては、ウエブブラウザー上で見ているページのうち、気になるものを簡単にコピーして保存する「ウェブクリップ」機能があるので、これだけを目的に使ってもいいでしょう。綴じ込まれた情報は、すべてを「串刺し」にして検索することができます。例えば、自分で作ったメモやウエブの記録などを含め、すべてから「特定の単語を含む情報」をまとめてピックアップする、といったこともできるのです。

 ただしこれだけならば、実はさほど珍しいものではありません。同様の趣旨のソフトはいくつかあり、Evernoteよりも一部機能では優れているものもあります。ですが、Evernoteの真価は「ソフト」にだけあるのではなく、むしろ「外」にあるのです。

 Evernoteは正確にはソフトではなく「サービス」。ネットワークの向こうにあるサーバーと連携することで、最大の価値を発揮するように作られています。

 例えば、“画面2”は「ウエブ版」。ウエブブラウザーのみで利用できるものです。じゃあ蓄積しているメモはどこに保存されるのか? 実は、パソコンの中だけでなく、サーバーの側にも保存されるのです。

 ネットワークの向こうに保存されるということには、いくつもの利点があります。パソコンが壊れてもデータが消えませんし、Evernoteのソフトが入っていないパソコンでもデータを見れますし、なにより、携帯電話やiPhoneなどの「パソコンでない機器」でも利用できます。例えば、携帯内蔵のカメラで写真を撮ってメモとしている人は多いと思いますが、それをEvernoteに蓄積していけば、管理がものすごく楽になります。

 特にiPhoneやアンドロイド携帯などの「スマートフォン」の場合、パソコンと同じように「専用ソフト」が用意されていて、簡単かつ便利に使えるのがポイントです。そのため現在は、パソコンだけでなくiPhoneでもよく使われているのが特徴といえるでしょう(画面3)。

 そして、最後の利点が「無料」である、ということ。基本的に、Evernoteは無料で使い始めることができます。しかも、データの保存容量には制限がありません。どれだけ大容量のデータを保存してもいいのです。

 ただし、もちろん無条件に無料、というわけではありません。無料版では、MSオフィス文書やPDFファイル、音声などを「綴じる」ことができません。また、1カ月でサーバーへ転送していい容量も「40MB」まで。文字情報中心なら大丈夫ですが、写真などを保存すると容量制限にひっかかりやすくなります。

 それに対し有料版である「プレミアム」サービスは、すべてのファイルが保存可能である上に、1カ月の転送量が「500MB」までアップします。これならば、携帯電話から写真を頻繁に送っても大丈夫です。利用料は、月に5ドルもしくは年間45ドル。この有料版の利用料で、同社は運営されていることになります。

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プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの」(朝日新書)、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)がある。

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