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iPhone 4の「電波切れ」問題とはなにか(1/3ページ)

2010年7月22日

  • 筆者:斎藤幾郎・西田宗千佳

写真拡大画像1:アップルのスティーブ・ジョブズCEOはiPhone 4で電波強度の問題があることを認めた上で、「すべての電話が完璧なわけではない」と解説を加えた(アップル・7月16日会見のネット配信映像より)

写真拡大画像2:外枠のステンレス部はアンテナをかねており、美観と受信効率の両立を狙っていた(6月に行われたWWDCでのiPhone 4に関する会見より。撮影:西田宗千佳)

写真拡大画像3:アップルがウェブで公開した電波受信状況に関する報告より抜粋。どこを握るとどうなるかが具体的に示されている

 いまだ「入荷待ち」が続く、人気携帯電話「iPhone 4」。人気が高いだけならいいのですが、ちょっと気がかりな話題もあります。それは「電波品質」。アメリカでは通話が切れやすいとして、集団訴訟まで起きています。

 アップルは7月16日(米、現地時間)、この問題に関するプレスカンファレンスを開き、対策と正式なコメントを発表しました。

 iPhone 4は、本当に「つながらない電話」なのでしょうか? 実のところ、この問題はそんなに単純な話ではないのです。(西田宗千佳)

iPhone 4は「特定の場所」を握ってはいけない

「我々は完璧ではない。おなじように、電話も完璧ではない」

 会見の冒頭、アップルのスティーブ・ジョブズCEOはこのように語りました。すなわち、iPhone 4において「電波の問題がある」ことを認めたことになります(画像1)。

 iPhone 4は、本体のサイド部がステンレスであり、ここがアンテナとなる構造になっています。すっきりとしたデザインの秘密ではあるのですが、今回問題となったのはこの点です(画像2)。

 本体内には、様々な「電波の送受信機」が存在しています。携帯電話の電波だけでも日本で主に使われる3G(第三世代携帯電話)網、海外で使われるGSM網の2つ、さらに無線LANとBluetoothの2つ、計4つの電波が使われています。当然、それぞれで効率的に通信をするには、専用のアンテナが必要になります。ただ側面を囲っているだけに見える「外縁」のステンレスですが、内部では3つのパートに分かれています。実際には、ステンレスの部分がすべてアンテナになっているわけではなく、内部にも別途アンテナがあるようですが。

 問題はここにある、と指摘されています。

 iPhone 4の左側には黒いスジに見える、2つのアンテナを分ける「絶縁部」があります。ここをまたぐような形で手でふさぐと、電波の送受信効率が落ちることが確認されています。アップルのいう「完璧ではない」ということは、この点を指してのものです(画像3)。

 特定の場所を握ると電波が弱くなることから、「デスグリップ」などとも呼ばれています。

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プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの」(朝日新書)、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)がある。

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