現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. デジタル
  4. 斎藤・西田のデジタルトレンド・チェック
  5. 記事

来年登場の次期ウィンドウズは「二段重ね」?(1/2ページ)

2011年9月22日

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:画像1:ウィンドウズ8(仮称)で搭載される新操作体系「Metro」。スマートフォン向けOS「Windows Phone」と操作面が統一されており、シンプルで素早い操作ができるのが特徴拡大画像1:ウィンドウズ8(仮称)で搭載される新操作体系「Metro」。スマートフォン向けOS「Windows Phone」と操作面が統一されており、シンプルで素早い操作ができるのが特徴

写真:画像2:基調講演で公開された、タッチ対応のウィンドウズ8搭載機。既存のパソコン的な製品だけでなく、タブレットに近いものもより完成度高く作れるようになるのが特徴拡大画像2:基調講演で公開された、タッチ対応のウィンドウズ8搭載機。既存のパソコン的な製品だけでなく、タブレットに近いものもより完成度高く作れるようになるのが特徴

写真:画像3:ウィンドウズ8ではソフトウエアキーボードの機能も進化。よりタブレット的なパソコンを作れるようになる。もちろん、慣れ親しんだ物理的なキーボードも使える拡大画像3:ウィンドウズ8ではソフトウエアキーボードの機能も進化。よりタブレット的なパソコンを作れるようになる。もちろん、慣れ親しんだ物理的なキーボードも使える

写真:画像4:「ウィンドウズ7的」な操作画面は、ウィンドウズ8でも健在。オフィスソフトや画像編集など、パソコンらしい作業をする時にはこちらを使うことになるだろう拡大画像4:「ウィンドウズ7的」な操作画面は、ウィンドウズ8でも健在。オフィスソフトや画像編集など、パソコンらしい作業をする時にはこちらを使うことになるだろう

写真:画像5:ウィンドウズ8のデスクトップ画面で、ブラウザーやユーザーフォルダーを表示した状態。見た目はウィンドウズ7と変わらない拡大画像5:ウィンドウズ8のデスクトップ画面で、ブラウザーやユーザーフォルダーを表示した状態。見た目はウィンドウズ7と変わらない

写真:画像6:ウィンドウズ8の内部構造。細かい部分はともかく、OS基盤の上に「Metro」の部分と「既存のウィンドウズアプリ」の部分が共存していることに注目拡大画像6:ウィンドウズ8の内部構造。細かい部分はともかく、OS基盤の上に「Metro」の部分と「既存のウィンドウズアプリ」の部分が共存していることに注目

写真:画像7:左がウィンドウズ7(最新のアップデート後)、右がウィンドウズ8の動作時のメモリー消費量。OS起動直後で、約3割もメモリー使用量が減っている。開発が進むと、より使用量は少なくなっていくはずだ拡大画像7:左がウィンドウズ7(最新のアップデート後)、右がウィンドウズ8の動作時のメモリー消費量。OS起動直後で、約3割もメモリー使用量が減っている。開発が進むと、より使用量は少なくなっていくはずだ

 現在、パソコンで主流のOSといえば「ウィンドウズ7」ですが、現在マイクロソフトは、来年の発売を目指して、後継OS「Windows 8(仮称、以下ウィンドウズ8)」の開発を進ています。9月13日(現地時間)、米・カリフォルニア州アナハイムで開かれた開発者会議「build Windows」では、その詳しい内容が改めて発表されました。発売はまだまだ先ですが、今回はその概要について、13日に開かれた基調講演で得られた情報を中心に、簡単に解説してみましょう。なお、今回利用している画像は、すべて基調講演のネット配信内のものです。(西田宗千佳)

新操作体系「Metro」でよりスマートフォンやタブレット的

 ウィンドウズ8の最大の特徴はなにか?

 それは「Metro(メトロ)」と言われる新しい操作体系です(画像1)。この操作体系は、各種アプリケーションや情報サービスを呼び出すためのボタンが「タイル状」に配置され、それがとても横に長い画面で構成されていることです。実際の画面はこの一部をのぞき込むようなかたちで使っている、と言えばわかりやすいでしょうか。

 この手法の特徴は、情報が見やすく、動作の反応が良いことです。キーボードとマウスで操作することももちろんできますが、タブレット端末などで使われている画面上のタッチセンサーを使うと、より直感的に利用できます(画像2)。ウェブブラウザーも、全画面表示が基本です。パソコンといえばおなじみのマルチウインドーとはずいぶん違う構成になっているのは間違いありません。あえていうなら、iPadやアンドロイドOSを採用したタブレット端末に近いでしょうか。

 タッチ操作を大幅に採り入れた結果、キーボードを使わずに、画面のタッチだけで文字入力ができるようになっているのも「タブレット的」といえます(画像3)。今後Metro向けに、様々なサービスやアプリケーションが登場し、自由にカスタマイズして使えるようになります。そしてそれらの多くは、マイクロソフトが運営する「アプリケーションストア」に、アクセスしてオンラインで直接、簡単に購入して利用できるようになるようです。実は、開発者会議でウィンドウズ8を発表し、情報を提供したのも、「Metro時代のアプリケーション」を積極的に開発してもらうためです。

 なんとなく「スマートフォンっぽい」と感じないでしょうか? それも当然。この操作体系は、同社が携帯電話向けOSとして提供中の「Windows Phone」で採用したものと同じなのです。(連載バックナンバー「Windows Phone」ってなんだ」参照)

 マイクロソフトは、なぜ、パソコンと携帯電話用のOSの操作体系を一つにまとめたのでしょうか?

 それは、現在IT機器に求められている操作体系が「簡単に情報を集め、閲覧する」ことにあるからです。ちょっとした時間でネットの情報やメールを見るなら、よりシンプルで全体を見渡しやすいMetroのような操作体系の方が向いています。スマートフォンやタブレット端末がパソコンとは違う操作体系を採用するのはそのためです。パソコンも、その流れと無縁ではいられません。「パソコン」、ひいてはウィンドウズという技術基盤を使って、タブレット的な製品を作るには、ウィンドウズそのものが「いままでの操作体系」にこだわることをやめる必要があった、ということなのでしょう。

 事実、ウィンドウズ8には、Metro採用に加え、内部的にもう一つ大きな改革が存在します。それは、CPUにこれまでの「x86系」だけでなく、「ARM系」を追加採用することです。現在のパソコンは、ほとんどがインテル製もしくはAMD製のCPUで動作しています。これらはインテルの「x86系」と呼ばれる命令体系と互換性を持っていて、x86用に作られたソフトが動きます。それに対して「ARM系」は、スマートフォンやタブレット端末、家電などで多く使われているものです。英ARM社の開発したCPU技術を基盤としたもので、x86系とは互換性がありません。

 互換性がないのになぜ採用するのか? それは、省電力性に優れ、「タブレット的な使い方」をする機器を開発する場合には、x86系CPUを使うよりも向いているからです。現状、iPadを含むタブレット機器がARM系で作られているのはそのためです。携帯電話網への接続機能を内蔵し、電源が切れている(正確には、最低限の機能を残して電力を節約する「サスペンド(もしくは、レジューム)」)状態でもメールなどの新着情報を自動更新するためには、現在のパソコンよりも数ランク上の省電力性能が必要となります。

 操作の面でも、省電力性能の点でも「ウィンドウズとパソコンの常識」を大幅に変えないといけなかった。

 それが、ウィンドウズ8の正体なのです。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(ビジネスファミ通)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新書)がある。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介