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「同じ」だなんてとんでもない!! 新iPhone「4S」&新OS「iOS5」レビュー(1/3ページ)

2011年10月12日

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写真:画像1:iPhone 4Sの白、64GBモデル。外観上は現行のiPhone 4と大きな差がないが、中身はほとんど別物といっていいほど進化(撮影:中村宏)拡大画像1:iPhone 4Sの白、64GBモデル。外観上は現行のiPhone 4と大きな差がないが、中身はほとんど別物といっていいほど進化(撮影:中村宏)

写真:画像2:iPhone 4S(右)と4(左)の側面。アンテナ配置の変更などにより、デザインが若干変更に。iPhone 4専用ケースの一部には、4Sに適合しないものもありそう(撮影:中村宏)拡大画像2:iPhone 4S(右)と4(左)の側面。アンテナ配置の変更などにより、デザインが若干変更に。iPhone 4専用ケースの一部には、4Sに適合しないものもありそう(撮影:中村宏)

写真:画像3:左がiPhone 4で、右がiPhone 4Sで白いタイルの壁を撮影した時の写真、左は変色しているのに、右はまったく普通に写っていることに注目(画像は縮小しています)拡大画像3:左がiPhone 4で、右がiPhone 4Sで白いタイルの壁を撮影した時の写真、左は変色しているのに、右はまったく普通に写っていることに注目(画像は縮小しています)

写真:画像4:左がiPhone 4で、右がiPhone 4Sで、3G回線下での通信速度を確認した画面。ダウンロード速度はさほど変化がないのに「Latency(レイテンシー:遅延)」は、4Sが6倍いい値(遅延が少ない)を示している拡大画像4:左がiPhone 4で、右がiPhone 4Sで、3G回線下での通信速度を確認した画面。ダウンロード速度はさほど変化がないのに「Latency(レイテンシー:遅延)」は、4Sが6倍いい値(遅延が少ない)を示している

写真:画像5:左がiPhone 4で、右がiPhone 4Sで不在中に電話を着信した画面。iOS5では通知の上で指を右にすべらせる(スワイプする)と、返信したり電話を折り返したり、といった操作が行える拡大画像5:左がiPhone 4で、右がiPhone 4Sで不在中に電話を着信した画面。iOS5では通知の上で指を右にすべらせる(スワイプする)と、返信したり電話を折り返したり、といった操作が行える

写真:画像6:iOS5の「通知センター」。不在着信や未読メール、スケジュールに天気など、様々な情報をまとめて表示する拡大画像6:iOS5の「通知センター」。不在着信や未読メール、スケジュールに天気など、様々な情報をまとめて表示する

写真:画像7:iPhone 4SはiOS5が組みこまれて出荷されるため、使い始める際に「パソコン」をつなぐ必要がなくなった。電源を入れるとこのような画面になり、順番に質問に答えていくことで初期設定が終わるようになっている拡大画像7:iPhone 4SはiOS5が組みこまれて出荷されるため、使い始める際に「パソコン」をつなぐ必要がなくなった。電源を入れるとこのような画面になり、順番に質問に答えていくことで初期設定が終わるようになっている

 10月14日、iPhoneの新モデル「4S」(画像1)が発売になります。今回は、14日に国内で発売される4Sと同じモデルを使い、先行レビューをお送りします。新しくなるのは本体だけではありません。本日12日には、「4S」発売に先行し、iPhone/iPad/iPod touch用OSであるiOSの新バージョン「iOS5」も無償公開されます。今秋のiPhoneは、新ハードと新OS、両方のセットで大きな進歩を遂げます。セットで生まれる新しい価値がどのようなものになるのか、細かくチェックしていきます。(西田宗千佳)

写真で見る「iPhone 4S」とiOS5の新機能

デザイン変更はちょっとだけ、でもカメラや性能は大幅進化

 まず、久々の登場となる新iPhoneの「ハード面」について見ていきましょう。4Sは、外見上現行のiPhone 4に非常によく似ています。白と黒の2色のモデルが存在すること、硬質ガラスでアンテナ部を挟んだ板状のデザインなど、ほとんどの部分が共通です。

 ただし、まったく同じというわけではありません。アンテナの構造が大きく変わったため、本体左上にあるサウンドのオン/オフスイッチの位置が若干ずれました。そのため、一部のiPhone 4専用ケースが使えなくなる可能性がありますので、その点だけは注意してください(画像2)。

 同じようなデザインなのに、なぜアンテナの位置が変わったのか? それは、簡単にいえば「中身は全然違うものになっているから」です。

 変わった部分は、大きく分けると4つになります。

 一つ目はCPU。iPhone 4では「A4」というCPUが使われていましたが、4Sでは「A5」に変わります。これはiPad2にも使われているもので、おおざっぱに言えば、A5はA4に使われているCPUの「コア部」に相当する部分が2つ搭載され、処理速度が倍以上に進化しているのが特徴です。動作速度の高速化は、操作の快適さにつながります。4と4Sの間でも、触ってみるとはっきりわかるくらいの差が生まれています。が、この点は、むしろ「将来への布石」という部分も多く(将来どうなるかは、あとで詳しく解説します)、意外にも一番のウリ、というほどの違いではありません。

 二つ目は記憶容量。iPhone 4までは最大32GBでしたが、4Sは倍の64GBに増えました。結果ラインナップは、16GB・32GB・64GBの3モデルにそれぞれ白・黒のバリエーション、という形になったわけです。音楽をたくさん蓄積する人にはうれしい変化でしょうが、これも極端に大きな変化とは思えない、という人もいるかも知れません。むしろ、16GBモデルを2年契約で購入した際の負担額が実質ゼロ円になり、「十分な容量のモデルを安価に手にできるようになった」ことを喜ぶ人の方が多いかもしれません。

 でも、これら2つの変化は、三つ目と四つ目の変化と関連して考えると、とても大きな価値を生み出すことになります。

 その三つ目の変化とは「カメラ」です。

 iPhone 4は発売から16カ月が経過していますが、動作の快適さやデザインの点で、いまだ強い競争力を持っています。しかし、最新のスマートフォンに比べどうにも残念だったのが「カメラ」の性能です。光量が十分で条件が良い場所では、iPhone 4のカメラでもきれいな写真は撮れたのですが、光量が少なかったり素早くシャッターを切らねばならなかったり、といった「条件の悪い場所」では、他のスマートフォンに比べ見劣りしました。

 iPhone 4のカメラで特に問題とされたのが、室内などで色むらが起きやすかったことです。特に白い壁などを撮影すると、中央に青い色がかぶってしまうことがありました。しかし、iPhone 4Sではこの問題が完全に解決しました(画像3)。また、夜間の路地などでも、見た目に近い「十分に明るい写真」が撮影できるようになっています。解像度も500万画素から800万画素に増えていますが、そのことよりも、全体の発色や解像感が良くなり「写真としてのクオリティーが上がっている」ことが重要です。ホワイトバランスの精度も向上しているようです。(作例については、別途フォトギャラリーを参照してください)

 また、動画撮影機能も大幅に改善しています。全体の発色などが良くなっただけでなく、撮影解像度が1280×720ドットから1920×1080ドットの「フルHD」に向上しています。また、動画撮影時に「手ぶれ防止機能」が搭載されたことも、良い動画を撮る上では重要なこと。歩きながら撮影してみると、その効果がはっきりみてとれます。

 カメラ機能の進化は、4Sに使われているレンズやセンサーが進化したことによるものです。しかし、それだけで実現できるわけではありません。

 A5にはカメラ撮影時の画質を向上させるイメージ・シグナル・プロセッサーが内蔵されるようになりました。これは、センサーと連動して画質調整を行う処理回路で、デジカメの隠れた命ともいえる部分です。半導体技術が進歩し、スマートフォンに搭載できる小型のLSIの中に、高度な処理回路を内蔵できるようになったからこそ、4Sのカメラ機能のクオリティーが向上した、といっていいでしょう。

 フルHDの動画が撮影できるようになると、従来機よりデータ量が大きくなります。同じ風景を撮影した場合、iPhone 4の動画に比べ、4Sでは約2倍のデータ量になりました。となると、保存するためのフラッシュメモリーの容量も、より大きい方がありがたいわけです。

 CPUもメモリー容量も、16カ月の間に進化した技術を反映したものといえます。それは、それぞれの機能だけでなく、カメラにも「複合的に」効いてきます。技術のリニューアルによって「より完成度を増した」のが、4Sの特徴といえるでしょう。

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プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(ビジネスファミ通)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新書)がある。

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