現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. ライフ
  3. デジタル
  4. 斎藤・西田のデジタルトレンド・チェック
  5. 記事
2012年2月2日
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

斎藤・西田のデジタルトレンド・チェック

日本語の文書作成を見つめ直した「一太郎2012承」(1/2ページ)

筆者 斎藤幾郎・西田宗千佳

写真:画像1:2月10日に発売される日本語ワープロ「一太郎2012承」。レイアウトや文字属性を調整しやすいパレット群を画面右側に配置。一般的になったワイド画面を有効に使っている拡大画像1:2月10日に発売される日本語ワープロ「一太郎2012承」。レイアウトや文字属性を調整しやすいパレット群を画面右側に配置。一般的になったワイド画面を有効に使っている

写真:画像2:「文字パレット」で、文字や語句の繰り返しを示す「く」記号や「ゞ」などを簡単に選べる拡大画像2:「文字パレット」で、文字や語句の繰り返しを示す「く」記号や「ゞ」などを簡単に選べる

写真:画像3:「文字パレット」で、漢文の返り点や送り仮名を指定するだけで、適切な位置に文字が配置される(画面では手作業の調整を加えている)拡大画像3:「文字パレット」で、漢文の返り点や送り仮名を指定するだけで、適切な位置に文字が配置される(画面では手作業の調整を加えている)

写真:画像4:一太郎2012承で書き出したEPUB3.0形式のデータをiPadのブックリーダー「iBooks」で表示した。ワープロ文書が「電子書籍」として表示されるのは新鮮だ(画像1とは別ファイルを利用)拡大画像4:一太郎2012承で書き出したEPUB3.0形式のデータをiPadのブックリーダー「iBooks」で表示した。ワープロ文書が「電子書籍」として表示されるのは新鮮だ(画像1とは別ファイルを利用)

写真:画像5:「東京」を確定して自動で推測変換の候補が出た後で「↓」キーを押したところ。このように推測変換の候補がリスト表示される。電子辞書に含まれる語は右側に説明文も出る拡大画像5:「東京」を確定して自動で推測変換の候補が出た後で「↓」キーを押したところ。このように推測変換の候補がリスト表示される。電子辞書に含まれる語は右側に説明文も出る

写真:画像6:ATOKは、変換時に表記や言葉遣いの間違い等を指摘してくれる。より正しい、美しい日本語文書を書きやすい拡大画像6:ATOKは、変換時に表記や言葉遣いの間違い等を指摘してくれる。より正しい、美しい日本語文書を書きやすい

写真:画像7:「一太郎2012承」の各パッケージ。左から「スーパープレミアム」、「プレミアム」、標準パッケージ。多くの場合、割安な「特別優待版」か「バージョンアップ版」を選べるだろう拡大画像7:「一太郎2012承」の各パッケージ。左から「スーパープレミアム」、「プレミアム」、標準パッケージ。多くの場合、割安な「特別優待版」か「バージョンアップ版」を選べるだろう〈「一太郎2012承」を商品検索〉

 2月10日、ジャストシステム(徳島県)の日本語ワープロソフト「一太郎」の新バージョン、「一太郎2012承」が発売されます。日本語文章を思った通りに、美しく作成できるよう工夫が凝らされるともに、電子書籍形式のファイルが作成可能になりました。日本語入力ソフト「ATOK」もパワーアップしています。(斎藤幾郎)

新一太郎は日本語文書の「できない」を減らす

 「一太郎」はウィンドウズやLinux搭載パソコン向けのワープロソフトで、ウィンドウズ版は2011年発売の「2011創」から、製品名の最後に製品コンセプトを示す漢字一文字が入るようになりました。「創」は、一太郎の第二世代の「新たなる創生」、そして、「思い浮かぶ文章やイメージをそのまま形にできる」といった思いが込められていました。

 今回は「承」。「伝承」や「継承」、つまり「受け継ぐ」ことを意味しています。美しい日本語の文化を未来に、人から人へ、現在から未来へ、といったイメージです。そして、日本語のドキュメント(書類)の伝統的な様式も継承したいとの考えも含まれています。

 一太郎2012承(画像1)では、これまで機能はあるのに「やりにくい」「できない」と思われていたさまざまな表現を簡単にできるよう、いろいろと工夫されています。レイアウトや文字の外見等を扱う機能を、画面右の「編集パレット」に配置。中でも、「文字パレット」では、字形の異なる「異体字」や、文字や語句の繰り返しを示す「く」記号や「ゞ」などを簡単に選べる(画像2)ほか、「レ点」の入った「漢文」の表現(画像3)も手助けしてくれるようになりました。フリガナの設定もやりやすくなっています。

 小説などの長文を書く人のために、「原稿用紙」のモードも強化され、マス目の色の変更や用紙への「名入れ」が可能になりました。全体の文字数や、設定した目標文字数までの達成度も簡単に確認できます。

 また、購入者特典として、縦書き用の日本語フォント6書体、手紙に合う和風の挿絵データなども提供されます。

 上位パッケージの「プレミアム」(後述)には、「2011創」に付属していた「新ゴシック」「リュウミン」にかわり、Mac OSやiPad等でも採用されている日本語フォント「ヒラギノフォント」(大日本スクリーン製造製)6書体が付属します(2011創のユーザーは、2012承でも「新ゴ」「リュウミン」を引き続き利用できます)。「新ゴ」「リュウミン」は一太郎でしか使えませんでしたが、今回の「ヒラギノフォント」は他のソフトでも利用できます。

 一太郎2012承には、もうひとつ、興味深い強化ポイントがあります。電子書籍向けデータ形式の標準規格「EPUB」の最新版「EPUB3.0」形式でのデータ書き出しに対応したことです。ルビ(ふりがな)や縦書きなど、日本語独特の表現にも対応しているのが大きな特徴です。書き出したデータは、スマートフォンやタブレットの電子書籍リーダーで読めます(画像4)。

 一太郎の文書書式や文字属性の一部にはEPUBに反映されないものがあり、精密なレイアウトはできませんが、一般には高価な出版ソフトで作成されている電子書籍をワープロソフトで作成できるというのは何だか痛快です。

 ジャストシステムはpaperboy&co.(ペーパーボーイアンドコー、東京都渋谷区)が運営する電子書籍販売サイト「Puboo(パブー、http://p.booklog.jp/)」と提携し、個人向け電子出版(デジタル版の「自費出版」ですね)を広げていきたい考えです。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(ビジネスファミ通)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新書)がある。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介