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2012年2月9日
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斎藤・西田のデジタルトレンド・チェック

急速に進む「デジカメのスマートフォン連携」(1/2ページ)

筆者 斎藤幾郎・西田宗千佳

写真:画像1:パナソニックの「LUMIX DMC―FX90」(実勢価格2万1600円)。外観は普及型のコンパクトデジカメで、実売も2万数千円とそう高くない拡大画像1:パナソニックの「LUMIX DMC―FX90」(実勢価格2万1600円)。外観は普及型のコンパクトデジカメで、実売も2万数千円とそう高くない〈「LUMIX DMC―FX90」を商品検索〉

写真:画像2:ソニーの「サイバーショット DSC―TX300V」(3月9日発売予定、予想実売価格5万円)。表面がガラスで覆われた独特のデザインが特徴。無線LANだけでなく、非接触充電、非接触高速データ転送にも対応した「高機能型」のフラッグシップモデル拡大画像2:ソニーの「サイバーショット DSC―TX300V」(3月9日発売予定、予想実売価格5万円)。表面がガラスで覆われた独特のデザインが特徴。無線LANだけでなく、非接触充電、非接触高速データ転送にも対応した「高機能型」のフラッグシップモデル〈「サイバーショット DSC―TX300V」を商品検索〉

写真:画像3:富士フイルムの「FinePix Z1000EXR」(3月9日発売予定、予想実売価格3万円)。フルタッチ操作などを全面に押し出し「女性向け」をアピール。カラーバリエーションも4色と豊富拡大画像3:富士フイルムの「FinePix Z1000EXR」(3月9日発売予定、予想実売価格3万円)。フルタッチ操作などを全面に押し出し「女性向け」をアピール。カラーバリエーションも4色と豊富〈「FinePix Z1000EXR」を商品検索〉

写真:画像4:SDカードに無線LANを内蔵、ほとんどのデジカメを「無線LAN対応カメラ」に変化させるアイファイジャパンの「Eye―Fi」。画像は、スマートフォンなどとの連携を重視した「Eye―Fi Mobile X2」(実勢価格7500円)。通常のSDカードと同じく記憶用のメモリーも内蔵する(※4GB以上32GBまでのカードの読み書きはSDHC対応の機器が必要です)拡大画像4:SDカードに無線LANを内蔵、ほとんどのデジカメを「無線LAN対応カメラ」に変化させるアイファイジャパンの「Eye―Fi」。画像は、スマートフォンなどとの連携を重視した「Eye―Fi Mobile X2」(実勢価格7500円)。通常のSDカードと同じく記憶用のメモリーも内蔵する(※4GB以上32GBまでのカードの読み書きはSDHC対応の機器が必要です)〈「Eye―Fi Mobile X2」を商品検索〉

 昨年末から今春にかけて、デジタルカメラの世界ではある機能が急速に普及しようとしています。それは「無線LAN対応」です。特に、スマートフォン連携を中核とした機能は、一気に各社が採用、これからのデジカメでは当たり前の機能になりそうな勢いです。「デジカメのスマホ連携」はなぜ生まれたのか? それがどんな役割を果たすのかを見ていきましょう。(西田宗千佳)

スマートフォンの普及が「無線LAN連携」を後押し

 すでに述べたように、今冬から今春にかけて、特にコンパクトデジカメの新製品の中に「無線LAN(Wi―Fi)対応」をうたうものが増えています。ぱっと目につくところでも、昨年末発売されたパナソニックの「LUMIX(ルミックス) DMC―FX90」(画像1)、1月末に発表されたばかりで、3月に発売を予定しているソニーの「サイバーショット DSC―TX300V」(画像2)、2月18日に発売を予定している富士フイルムの「FinePix(ファインピックス) Z1000EXR」(画像3)などがあります。この他にも続々登場するとみられていますし、デジカメではなくビデオカメラも含めれば、より多くの機種が「無線LAN」対応になっていきます。

 実のところ、無線LANを搭載したデジカメというだけであれば、2005年9月に発売されたニコンの「COOLPIX(クールピクス) P1」をはじめ、もう数年前に各社から登場していました。しかし、今回の製品群とは狙いが異なります。その狙いとは「スマートフォンとの連携」です。これまでの無線LAN対応デジカメは、カメラから直接、インターネット上の「写真共有サービス」へと写真を転送することをウリとしていました。この機能は、新しい無線LAN対応デジカメでもそのまま生きています。しかし今や中核の機能とは言えなくなっています。理由は単純。そこまでして「パソコンなどを使わず直接転送する」意味合いが薄いからです。あればいいけれどそれだけじゃ不満、そんな、世の中に起きたのが「スマートフォンとSNS」という変化です。

 旅行に行って、そこでおいしいものを食べたとしましょう。それを知り合いに伝えたい、と誰もが思うはず。料理の写真を撮ってメールで送ろう、と思う人は多いはずです。いまならば、Twitterやfacebookなどに写真付きで投稿するかも知れません。でもその時に使うのは、きっとデジカメではないでしょう。ほとんどの人が携帯電話、現在ならばスマートフォンを使うはず。筆者もそうです。取材中などに興味深いものをみかけたら、デジカメとスマートフォンの両方で撮影するようになりました。なぜなら、SNSへと写真を送る場合、スマートフォンを使うのが一番素早く、簡単だからです。デジカメの写真をいちいちパソコンに転送し、それからSNSへと転送するのはいかにも面倒ですし、パソコンがない時には使えません。スマートフォンのカメラ機能も進化してきましたから、まあしょうがないか……と思っている人も少なくないでしょう。

 とはいうものの、デジカメと携帯電話のカメラ機能には、まだまだ大きな差があります。レンズやセンサーの大きさ、ズーム機能など、ある程度サイズが必要になってしまうため、デジカメの方が有利な点に変わりはないのです。そこで出てきたのが「連携」という考え方です。無線LANを内蔵するデジカメとスマートフォンを直接ワイヤレスでつなぎ、デジカメ側から撮影した写真を転送すれば、パソコンがなくてもその場で望みのことができるようになります。写真はデジカメに任せることができるようになるわけで、「両方で撮影する」ことも不要になります。

 こういったことが可能になったのは、ニーズの面だけでなく、コストの面でもスマートフォンの影響があります。スマートフォンの急速な普及により、無線LAN用LSIのニーズはいっきに増えました。結果、LSIのコストが劇的に下がり、デジカメに搭載してもコスト的な負担が小さくなった、ということもあるのです。もちろん、まだすべてのデジカメに搭載されるようになったわけではありませんが、無線LAN搭載だからといって、特にこれらのデジカメが高くなっているわけではありません。機能の人気が高まれば、搭載機はさらに多くなっていくことでしょう。

 なお、これらの機種の場合、最大の欠点は「無線LANに対応したカメラ」が必要になることです。使い慣れたミラーレス一眼や一眼レフデジカメが使いたいとか、カメラを買い換えたくない人にはちょっと負担が大きいのも事実です。

 そんな人向けには、無線LAN機能をSDカードに入れてしまったアイファイジャパンの「Eye―Fi(アイファイ)」(画像4)がおすすめです。この製品は、すでに発売から2年近くが経過した、デジカメを無線LAN対応にする「老舗」的商品です。最新の無線LAN対応元々はパソコンとネットワーク上の写真共有サービスへカメラ内の写真を転送するためのものでしたが、新たに搭載された「ダイレクトモード」という機能を使うことで、スマートフォンやタブレットにも転送できるようになりました。

 ただし、Eye―Fiの場合、ほとんどすべてのデジカメに対応できる(一部機能は、SDHC対応が必要)代わりに、カメラやスマートフォン側で「特定の写真だけを選んで転送」するのが面倒だったり、画像が転送されるタイミングが分かりづらかったりする面もあり、使いやすさの点では、「無線LAN内蔵デジカメ」の方が上である、といえます。

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プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(ビジネスファミ通)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新書)がある。

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