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今年もスマートフォンの勢いは収まりそうにありません。その中で、急速に脚光を浴びそうなのが「デュアルコア」「クアッドコア」という言葉です。多くの方が知るように、この言葉はCPUの性能を表すものです。パソコンでもおなじみになったこの言葉ですが、パソコンとスマホでは、ちょっと位置づけが違うようなのです。快適な製品を選ぶために重要なこの言葉、改めて「スマホでの意味」を勉強してみましょう。(西田宗千佳)
CPUコアの数で高速化、スマホでも「4コア」の時代到来
まず、基本的なところからおさらいしておきましょう。「デュアルコア」「クアッドコア」の「コア」とはなんでしょう? これは、CPUの処理を行う部分(文字通りの中核=コア)を指します。デュアル、クアッドとはそれぞれ2、4という意味ですから、デュアルコアは「処理部が2つ」、クアッドコアは「処理部が4つ」という意味になります。
コンピュータに求められる処理が複雑化していくと、CPUの動作速度を決めるクロック周波数が高くなっていきました。それはある時期までそれはうまくいっていたのです。しかし、もっと快適にするために、CPUメーカーは別の手法を考え出しました。それが「マルチコア」という形です。CPUクロックだけを高くしても、消費電力が上がるだけで効率は上がりません。CPUコアを増やして処理を分散することで、クロック周波数による高速化とは違う手法でスピードを上げよう、というのが狙いです。
このやり方は、パソコンですでに定着しています。現在広く使われているインテルのCPU「Core iシリーズ」は、低価格版のCore i3がデュアルコア、普及型のi5がデュアルコアもしくはクアッドコア、最上位のi7がクアッドコアもしくは6コアです。クロック周波数はそんなに差がありませんが、コアの数などが違うため、処理速度では大きな差が生まれています。
この流れはスマートフォン、そしてタブレットにもやってきています。昨年秋あたりから、日本国内向けスマートフォンのほとんどが、デュアルコアのCPUになっています。NTTドコモの2011年から2012年の冬春モデル9機種のうち、デュアルコアCPUを採用しているのは7機種。ローエンドで、日本以外では2011年夏以前に出荷されたモデルだけがシングルコア、ということになっています。例えば、最新のAndroid「4.0」を搭載したスマートフォン「GALAXY NEXUS(ギャラクシー・ネクサス) SC―04D」(画像1)の場合も、クロック周波数1.2GHzのデュアルコアCPUを採用しています。スマートフォンでは一番人気であるiPhoneも、最新モデルの「iPhone 4S」では「A5」と呼ばれるオリジナルのデュアルコアCPUを採用しています。
そしてパソコンでやってきたように、携帯端末のCPUの流れはデュアルコアからクアッドコアに変わっていきます。ASUSが発売したタブレット「ASUS EeePad(アスース・イーパッド) TF201」(画像2)では、NVIDIA(エヌビディア)の最新クアッドコアCPU「Tegra(テグラ)3」を採用しました。また、現在スペイン・バルセロナで開催中の携帯電話向け展示会「モバイル・ワールド・コングレス2012」では、NVIDAの後を追う形で、米クアルコムが「Snapdragon(スナップドラゴン) S4 Pro」、中国系のファーウェイが「K3V2」というクアッドコアCPUを発表しています。明らかに、2012年中に登場するスマートフォン、タブレットでは、クアッドコアがひとつのトレンドになるのは間違いありません。

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(ビジネスファミ通)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新書)がある。