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2012年4月5日
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斎藤・西田のデジタルトレンド・チェック

いままでとどう違う? 「Bluetooth 4.0」(1/2ページ)

筆者 斎藤幾郎・西田宗千佳

写真:画像1:バッファローのBluetooth 4.0対応キーホルダー「BSHSBTPT01BK」(4月中旬発売予定、予想実売価格3000円<税込み>)。Bluetooth 4.0でiPhone 4S・第三世代iPadと連携し、置き忘れなどを防止する。利用には、AppStoreで無償公開されている専用アプリ「さがせーる/Saga-cell」が必要拡大画像1:バッファローのBluetooth 4.0対応キーホルダー「BSHSBTPT01BK」(4月中旬発売予定、予想実売価格3000円<税込み>)。Bluetooth 4.0でiPhone 4S・第三世代iPadと連携し、置き忘れなどを防止する。利用には、AppStoreで無償公開されている専用アプリ「さがせーる/Saga-cell」が必要〈「BSHSBTPT01BK」を商品検索〉

写真:画像2:ロジテックのBluetooth 4.0対応アクセサリー「ぶるタグ(LBT-MPVRU01)」(4月下旬発売予定、予想実売価格3500円<税込み>)。対応機種はiPhone 4S・第三世代iPad。仕組みはバッファローの製品と同じだが、こちらは3色のカラーバリエーションがある。AppStoreで無償公開されている専用アプリ「ぶるタグ設定アプリ」が必要拡大画像2:ロジテックのBluetooth 4.0対応アクセサリー「ぶるタグ(LBT-MPVRU01)」(4月下旬発売予定、予想実売価格3500円<税込み>)。対応機種はiPhone 4S・第三世代iPad。仕組みはバッファローの製品と同じだが、こちらは3色のカラーバリエーションがある。AppStoreで無償公開されている専用アプリ「ぶるタグ設定アプリ」が必要〈「LBT-MPVRU01」を商品検索〉

写真:画像3:カシオ計算機のBluetooth 4.0対応腕時計「GB-6900」(実勢価格1万5100円<税込み>)。対応機種は、NECカシオモバイルコミュニケーションズのスマートフォンやタブレット端末「MEDIAS」のうち、Bluetooth 4.0に対応したもの。利用には専用のAndroidアプリ「G-SHOCK App」(無償)が必要拡大画像3:カシオ計算機のBluetooth 4.0対応腕時計「GB-6900」(実勢価格1万5100円<税込み>)。対応機種は、NECカシオモバイルコミュニケーションズのスマートフォンやタブレット端末「MEDIAS」のうち、Bluetooth 4.0に対応したもの。利用には専用のAndroidアプリ「G-SHOCK App」(無償)が必要〈「GB-6900」を商品検索〉

 Bluetooth(ブルートゥース)という名前は、もうみなさんもご存じかと思います。携帯電話やパソコンなどで広く使われている無線通信技術で、日常的に使っている、という方も少なくないはずです。

 そのBluetoothに、新しい機能を備えた「バージョン4.0」を採用した製品が登場しはじめています。「4.0」とはどんなもので、どんなことができるものなのでしょうか? 今回は、Bluetooth 4.0が可能にするものについて解説していきましょう。(西田宗千佳)

ヘッドセットやキーボードで活躍するが「わかりにくさ」が難点

 まずBluetoothについて、ちょっと復習しておきましょう。

 すでに述べたように、Bluetoothは「無線で機器同士の通信をする規格」です。これは新しい「4.0」になっても変わりません。

 ただ、無線通信とはいうものの、普段使っている「無線LAN」(Wi-Fi)との差がわからない、という方も多いのではないでしょうか? 実のところ、Bluetoothの問題点はそこにあったといえます。

 無線LANもBluetoothも、無線通信によって機器の間でデータをやりとりする技術です。ただし、本来狙っていたところは異なっています。無線LANが「パソコンとパソコン」間をつなぐもの(=LAN)を無線化するものであったのに対し、Bluetoothは「さまざまな機器と周辺機器」の間をつなぐもの、として開発されました。主にパソコンでしたが、車の中や家電など、より広い機器で採用され、周辺機器の接続に使おう、と考えられていたのがBluetoothだったわけです。

 LANにおいては、大量のデータを高速に転送できることがまず重要。消費電力ももちろん重要ですが、それは二番目の要素といえます。

 他方、周辺機器をつなぐ場合には、通信速度は重要でないこともあります。例えば通話用の「ヘッドセット」に使う場合、転送に必要なデータ量は無線LANの数十分の1で済みます。ですが、消費電力はずっと低いものである必要があります。1、2時間で電源が切れてしまっては意味がなく、容量の小さなバッテリーであっても、1日ずっと使えることが望ましいでしょう。とはいえ、デジカメから写真を転送するならば、転送速度は速いに超したことはありません。

 Bluetoothは、色々な機器との接続を実現するために、機器によって消費電力や転送速度、通信内容を切り替える「プロファイル」という仕組みが採用されています。例えば、ヘッドセット用ならば「ヘッドセット・プロファイル(HSP)」を、キーボードやマウスの接続には「ヒューマンインターフェース・デバイス・プロファイル(HID)」を、といった風に、プロファイルを切り替えることで、機能と消費電力のバランスをとろうとしたわけです。

 ですが、その狙いはすべてで上手くいったわけではありません。

 特に問題が大きかったのは「高速通信」の部分です。元々規格が策定された時は、「周辺機器との接続はBluetoothで」と考えられていました。ですから、パソコンとデジカメ、パソコンとプリンター、パソコンと音楽プレイヤーといった接続にはBluetoothは使われるだろう、と見られていました。しかし、Bluetoothは消費電力の低さを重視したこともあり、通信速度がなかなか速くなりませんでした。機器同士を数百「k」bpsでつなぐことはできるのですが、大容量化した写真や音楽を転送するにはスピードが足りません。そうこうするうちに無線LANチップが低価格化したので、パソコンだけでなくゲーム機や携帯電話など、様々な機器に「無線LAN」を搭載する流れが広がりました。昨年冬からは、デジカメ・ビデオカメラへの搭載も進んでいます。

 また「プロファイル」で対応機器を切り替える、という仕組みも、逆にわかりにくさを招きました。接続したい周辺機器に必要とされている「プロファイル」を、接続する機器(パソコンや携帯電話、ゲーム機など)の側がサポートしているのかどうかが、わかりにくいからです。新しい周辺機器が出ても、それがきちんとつながるかわかりづらいため、「特別なものは手を出しにくい」雰囲気が生まれました。規格上は20以上のプロファイルがあるものの、現在は、多くの機器が対応プロファイルを搭載している「HSP」「ハンズフリー(HFP)」、ステレオ高音質伝送向けの「A2DP」とリモコン用の「AVRCP」、ネットワークにつなぐための「ダイヤルアップ・ネットワーク(DUN)」、前出の「HID」など、いくつかのものが使われているに過ぎません。主に「ごく低速に通信する周辺機器からケーブルをなくすもの」として使われている、といっていいでしょう。

 Bluetoothのバージョン番号も上がってはいるのですが、現在のところ、広く使われているのは2007年に策定された「バージョン2.1 + EDR 」であり、その先のバージョンはほとんど使われていません。新バージョン「4.0」についても、規格そのものは2009年末にできあがっていたのですが、これまでほとんど使われてきませんでした。

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プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(ビジネスファミ通)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新書)がある。

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