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2012年5月17日
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斎藤・西田のデジタルトレンド・チェック

この夏注目のiOS向けアプリ・周辺機器を一足先にチェック!

筆者 斎藤幾郎・西田宗千佳

写真:画像1:「Sky Gambler: Air Supremacy」(バンダイナムコゲームス、450円)。すでに公開されているものだが、1、2カ月以内に予定されているアップデートで、AirPlay機能の強化やマルチプレイ対応が行われる予定(撮影:西田宗千佳)拡大画像1:「Sky Gambler: Air Supremacy」(バンダイナムコゲームス、450円)。すでに公開されているものだが、1、2カ月以内に予定されているアップデートで、AirPlay機能の強化やマルチプレイ対応が行われる予定(撮影:西田宗千佳)

写真:画像2:「Sky Gambler: Air Supremacy」(バンダイナムコゲームス、450円)。すでに公開されているものだが、1、2カ月以内に予定されているアップデートで、AirPlay機能の強化やマルチプレイ対応が行われる予定(撮影:西田宗千佳)拡大画像2:「Sky Gambler: Air Supremacy」(バンダイナムコゲームス、450円)。すでに公開されているものだが、1、2カ月以内に予定されているアップデートで、AirPlay機能の強化やマルチプレイ対応が行われる予定(撮影:西田宗千佳)

写真:画像3:学習用地図アプリ「Barefoot World Atlas」(Touch Press、700円)。世界中の情報を、触りながら学んでいける。現在は英語版だが、6月下旬から7月に日本語化される(撮影:西田宗千佳)拡大画像3:学習用地図アプリ「Barefoot World Atlas」(Touch Press、700円)。世界中の情報を、触りながら学んでいける。現在は英語版だが、6月下旬から7月に日本語化される(撮影:西田宗千佳)

写真:画像4:まったく新しい「絵本的体験」を提供する「Star Academy」(価格未定、7月発売)。映画「Avator」などでアニメーターを務めたクリエイター、Dylan Coleがデザインを担当している(撮影:西田宗千佳)拡大画像4:まったく新しい「絵本的体験」を提供する「Star Academy」(価格未定、7月発売)。映画「Avator」などでアニメーターを務めたクリエイター、Dylan Coleがデザインを担当している(撮影:西田宗千佳)

写真:画像5:パノラマ写真を楽しむアプリ「TourWrist」(SPARK LABS、無料)。パノラマ写真が作れるのはもちろんだが、世界旅行した感覚で「観られる」のもポイント(撮影:西田宗千佳)拡大画像5:パノラマ写真を楽しむアプリ「TourWrist」(SPARK LABS、無料)。パノラマ写真が作れるのはもちろんだが、世界旅行した感覚で「観られる」のもポイント(撮影:西田宗千佳)

写真:画像6:Nike+ Trainingでチェックした、加重のかかり具合。これだけ詳細なデータをとることで、体の動きをよりしっかり捉え、エクササイズに生かす(撮影:西田宗千佳)拡大画像6:Nike+ Trainingでチェックした、加重のかかり具合。これだけ詳細なデータをとることで、体の動きをよりしっかり捉え、エクササイズに生かす(撮影:西田宗千佳)

写真:画像7:Nike+ Training対応シューズ。靴の中には最初から加重センサーが内蔵されていて、発信モジュール(USBで充電)をとりつけて使う構造になっている(撮影:西田宗千佳)拡大画像7:Nike+ Training対応シューズ。靴の中には最初から加重センサーが内蔵されていて、発信モジュール(USBで充電)をとりつけて使う構造になっている(撮影:西田宗千佳)

 スマートフォン・タブレットの良いところは、購入後にもアプリや周辺機器の形で、価値が継続的に広がっていくことにあります。中でも、iPhone・iPad・iPod Touchは、そういった「機器購入後の市場」が広く、それが人気の秘密ともなっています。米アップル・iOS製品担当者から、今夏以降登場する注目の新アプリ・新周辺機器を教えてもらいました。以下本文中のコメントは、すべてアップル担当者のものです。なお、今回紹介するアプリや周辺機器は、iOS独占提供のものか、もしくは当面iOSだけに提供が決まっているものです。(西田宗千佳)

強みは「1つのエコシステム」、ゲームはアップデートでも大きく進化

 iOS機器は、すでに世界で累計3億6500万台が販売されています。対象アプリも、250億ダウンロードを超えています。(今年3月時点)他方、ライバルであるAndroidの方は、なかなかビジネスが広がらない、と嘆く企業が増えています。昨年12月、Androidもアプリの累計ダウンロード数は100億を超えましたが、有料アプリケーションの売り上げでは、iOS向けよりかなり見劣りする、という調査結果が多く出されています。複数の調査を総合すると、有料アプリケーションの売上では、iOS向けはAndroidの4倍から6倍程度も大きい、ということになるようです。なぜこれほど違うのでしょうか? アップル・iOS製品担当者はこう話します。

「とりあえず、多くの方から『iOSの方がお金になる』と考えていただけているのは事実ですね(笑)。理由については、どれか一つ、といういい方はしたくありませんが……。少なくとも、ハードウエアはシンプルに統一されていますし、最新のOSも多くの人が使っている。ライバルは、いまだ最新バージョンで出荷されていない端末もあります。シンプルな一つのエコシステムであることが、iOSの強みです」

 今回紹介するようなアプリ・周辺機器が登場するのも、現状、アップルのエコシステムがライバルよりも上手く作用している理由、ということなのでしょう。

 iOS向けアプリの中でも、人気・注目度ともに高いのはゲームです。最新のiPhone 4S・第三世代iPad・iPod Touchともに、この種のデバイスとしては高いグラフィック性能を備えているため、家庭用ゲーム機との画質差も小さくなってきています。今年の夏後半に日本を含む全世界で発売が予定されている「Infinity Blade Dungeons」(エピック・ゲームズ)などは、アートワークの表現も非常に手が込んでいて、多くのゲームファンを納得させられるものになっているでしょう。性能が高くなっているだけでなく、iOS向けゲームにヒット作が増えることで、ゲームメーカーもこのジャンルに注目し、きちんとコストを投下した「歯ごたえのあるゲーム」も登場はじめています。

 それ以上に注目なのが、本体単体で遊ぶだけではなく、複数のiOS対応周辺機器を組み合わせることで可能性が広がる点です。「Sky Gambler: Air Supremacy」(バンダイナムコゲームス、450円)は、すでにiOS向けとして発売されているゲームですが、この数カ月で大きく進化します。まず、Apple TVと組み合わせることでテレビを使ってプレーした時の可能性が広がります(画像1、2)。

「Apple TVと連携するAirplay機能に対応しているのですが、この機能をさらに活用し、プレー画面はテレビに、操作画面はiPadなどに表示して楽しめます。それだけでなく、対戦プレー時にも、各機器の画面をApple TV側に映し、画面を分割して表示して楽しめるのです。最大4人までが同時に楽しめます」

 非常に大きな進化ですが、別に「まったく新しいアプリ」が出るわけではありません。これから1、2カ月の間にアプリのアップデートが行われ、機能が追加されるのです。このように大幅なアップデートが行われること、そこで複数機器対応のような新しい要素が追加されていくのは、iOS機器の勢いを示す、一つの例といえるのではないでしょうか。

充実する「教育」アプリ、Newton電子書籍版も登場

 ゲームと同様に、教育向けアプリの充実もめざましいものがあります。

「この季節には夏休みがありますからね。特にアメリカでは、この時期に、子供達への教育を補完しようと、様々な教育関連商品が増えます。iOS向けにも、非常に優れた教育アプリケ−ションが登場しようとしています」

 中でも注目は「Barefoot World Atlas」(Touch Press、700円)と「Star Academy」です。

 前者は、簡単に言えば「地図ソフト」なのですが、3Dの地球儀に各地域の名産・名所などが表示され、ズームしていくとそれぞれの詳細が楽しめる、というもの。まったく新しい百科事典ともいえるでしょう。すでに海外では発売されていますが、6月下旬から7月に日本語化される予定であるため、より日本市場向けに魅力が増します(画像3)。

 後者は、まだ発売前のアプリ。映画「Avator」などでアニメーターを務めたクリエイター、Dylan Coleがデザインを手がけた「絵本」です。といっても、もちろんただの絵本ではありません。ページをめくるのではなく「横にすべらせて」いくと、お話が進むだけでなく絵も同時に動きます。言葉だとちょっとわかりにくいのですが、ページとページがつながっていて、その切り替えが「お話のシーンのアニメーションになっている」といえばいいのでしょうか。アニメを観るのでも、絵本のページをめくるのでもない、いわく言いがたい感覚が魅力です。7月に全世界で同時公開される予定で、もちろん日本語にも対応しています(画像4)。

 日本にも注目のアプリはあります。科学雑誌「Newton」がアプリになって登場するのです。単に誌面が観れるだけでなく、動画などが入っている他、紙版では割愛されている写真なども追加されています。iOS上で定期刊行物を配信する「Newsstand(ニューススタンド)」に対応しており、まさに雑誌感覚で楽しめます。創刊号は無料でダウンロードできます。

 こういったアプリは、やはりディスプレーが大きいiPadに向きます。また、最新の第三世代iPadでは、解像度が従来のiPadに対し縦横2倍となった「Retina Display」が搭載されたため、特に写真などのクオリティーが上がっています。この点も、大きな魅力といえます。

 Retina Displayの魅力が映えるものといえば写真。写真の共有を使った面白いアプリケーションが「TourWrist」(SPARK LABS、無料)です。これはいわゆる「パノラマ写真」を作り、共有するアプリなのですが、写真を楽しむ機能が充実しています。撮影したパノラマ写真は、位置情報を伴って共有されるため、世界地図の上に配置される形で表示されます。しかもパノラマ写真は、iPhoneやiPadを「持って」観ることもできるのです(画像5)。自分が観光地に立って、周りを見回していると考えてください。iPhoneやiPadが「窓」のような役割をして、撮影したパノラマ写真の一部を切り取り、まさにそこで観ているかのような感覚で楽しめるのです。

新センサーでより自由なエクササイズを! 「Nike+ Training」

 もうひとつ、周辺機器と連携した注目の商品をご紹介しましょう。それが「Nike+ Training」です。Nike+は、米スポーツ用品大手のナイキが提唱しているIT機器と連動したトレーニング機器。これまでにも、トレーニングシューズに歩数を感知するセンサーを入れ、走った距離・時間などを計測してくれるものがありました。しかし、Nike+ Trainingはさらに先を行く存在になりそうです。

 とりあえず画像6をご覧ください。これは、Nike+ Training対応の新しいトレーニングシューズに埋め込まれているセンサーから得られたデータです。従来は「どれだけ振動したか」といった、シンプルな情報しかとれませんでしたが、今回は違います。足のどこにどのように加重がかかっているのか、という情報をセンサーが感知し、iPhone/iPadの側に転送することで、より詳細な情報を使ったトレーニングができるようになるのです(画像7)。

 じゃあなにをするのか? もちろん、走った距離を計測することはできます。それ以上のことができるのが、Nike+ Trainingの魅力です。

 例えば、ジャンプをしたらジャンプした「高さ」が分かる。別に高さ計があるわけではないですが、体重と足にかかる加重からおおよその高さが計測できます。加重のかかり具合が分かることで、体の動きをより詳細に認識し、それを新しいトレーニングに生かせる、というのがNike+ Trainingの考え方です。

 それがよく分かるのが「Drill Pack」と呼ばれるコンテンツです。これは有料で追加販売される機能なのですが、中身は体すべてを使う本格的なエクササイズです。動画のお手本に合わせて体を動かしますが、その際にはNike+ Trainingのセンサーが「正しい動きか」を確認し、正しい動きでないとエクササイズした回数とはカウントしないようになっています。ランニング以外にもNike+を広げるのが狙いといえます。

 では、なぜこのようなことができるようになったのでしょうか? 実は、Nike+ Trainingは、iPhone 4Sと第三世代iPadにのみ対応しています。これらの機器が採用している新技術を使っているからです。

「Nike+ Trainingでは、iPhone 4S以降で採用したBluetooth Low Energy(筆者注:Bluetooth 4.0の一機能で、特に低消費電力に特化したもの)を採用しています。これだけの情報をチェックしながら、3カ月から6カ月バッテリーが持ちます。それをiPhone上のアプリやネットワークサービスと連携させることで、価値の高いトレーニングを実現しているわけです」

 足がどう接地しているかをセンサーで確認し、運動に生かすという発想は、ゲーム機などでも使われており、珍しい発想ではありません。しかし、Bluetooth Low Energyを使って靴の中に入れることで「場所の制約」から解き放たれることは、エクササイズにとって大きな意味をもってくるでしょう。これも、iPhone 4Sが順調に売れており、Bluetooth Low Energy対応機器がすでにたくさんあって市場性が大きい、とナイキが判断してのことです。

 Nike+ Trainingは6月下旬から7月上旬に登場し、アプリもそれに合わせて無料で配信される予定です。

プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(エンターブレイン)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新書)がある。

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