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2012年12月20日10時18分
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iPhone版「グーグル・マップ」が登場

写真:画像1:iPhone版「グーグル・マップ」をiPhone5で表示した。画面全体を覆う地図の上部に検索ボックス、左下に「現在地」アイコン、右下に追加表示する情報を選ぶ「表示タブ」がある。縦の表示が狭くなるが、iPhone3GS以降でも使用可能拡大画像1:iPhone版「グーグル・マップ」をiPhone5で表示した。画面全体を覆う地図の上部に検索ボックス、左下に「現在地」アイコン、右下に追加表示する情報を選ぶ「表示タブ」がある。縦の表示が狭くなるが、iPhone3GS以降でも使用可能

写真:画像2:画像1の地図を拡大、回転し、傾けたところ。一部の建物は半透明で立体表示されている。立体表示になる縮尺は一定でないようだ。地図の向きを変えても文字が正しく表示されている点にも注目拡大画像2:画像1の地図を拡大、回転し、傾けたところ。一部の建物は半透明で立体表示されている。立体表示になる縮尺は一定でないようだ。地図の向きを変えても文字が正しく表示されている点にも注目

写真:画像3:渋谷駅で「喫茶店」を検索したところ、周囲の店舗が赤丸でマーキングされ、画面下部には情報シートが表示された(左)。情報シートにタッチして上にスライドすると、店舗情報や口コミ情報などを確認できる(右)。情報に通話ボタンがあれば、タッチして電話がかけられる拡大画像3:渋谷駅で「喫茶店」を検索したところ、周囲の店舗が赤丸でマーキングされ、画面下部には情報シートが表示された(左)。情報シートにタッチして上にスライドすると、店舗情報や口コミ情報などを確認できる(右)。情報に通話ボタンがあれば、タッチして電話がかけられる

写真:画像4:情報シートの写真に「ストリートビュー」の表示がある場合は、表示を切り替えることができる。左下のボタンにタッチすると、表示される視点がiPhoneを向けた方角に合わせて動くモードになる。画面をのぞき穴にして現地を見ている感覚で使える拡大画像4:情報シートの写真に「ストリートビュー」の表示がある場合は、表示を切り替えることができる。左下のボタンにタッチすると、表示される視点がiPhoneを向けた方角に合わせて動くモードになる。画面をのぞき穴にして現地を見ている感覚で使える

写真:画像5:「現在地」(JR渋谷駅)から、東京都庁(東京都新宿区)への経路を調べた(左)。基本は車の経路に設定されていて、赤い時間表示は渋滞していることを示す。候補の一つを選ぶと地図上に経路が表示される(中)。情報シート右下の「ナビ開始」をタッチすれば、実際の移動に追従するナビ画面に切り替わる(右)。ナビが行えない場合は移動に追従しない「ガイド」表示になる拡大画像5:「現在地」(JR渋谷駅)から、東京都庁(東京都新宿区)への経路を調べた(左)。基本は車の経路に設定されていて、赤い時間表示は渋滞していることを示す。候補の一つを選ぶと地図上に経路が表示される(中)。情報シート右下の「ナビ開始」をタッチすれば、実際の移動に追従するナビ画面に切り替わる(右)。ナビが行えない場合は移動に追従しない「ガイド」表示になる

写真:画像6:画像5の検索経路を鉄道(公共交通機関)に切り替えた。出発時刻は検索時点になるが、変更も可能。移動時間のほか、乗り継ぎの有無や料金もわかる(左)。項目を選ぶと地図表示になるのは共通(中)。情報シートにタッチして上にスライドすると、詳細な移動法を確認できる(右)拡大画像6:画像5の検索経路を鉄道(公共交通機関)に切り替えた。出発時刻は検索時点になるが、変更も可能。移動時間のほか、乗り継ぎの有無や料金もわかる(左)。項目を選ぶと地図表示になるのは共通(中)。情報シートにタッチして上にスライドすると、詳細な移動法を確認できる(右)

写真:画像7:通常の地図(左)に交通情報を重ねたり(左から2番目)、さらに地下鉄路線図を重ねて表示した(右から2番目)。両方を同時に出すことも可能。表示項目は画面の右からスライドして表示されるメニューで選ぶ(右)拡大画像7:通常の地図(左)に交通情報を重ねたり(左から2番目)、さらに地下鉄路線図を重ねて表示した(右から2番目)。両方を同時に出すことも可能。表示項目は画面の右からスライドして表示されるメニューで選ぶ(右)

 12月13日、グーグルがiPhone向けの地図アプリ「Google Maps(グーグル・マップ、画像1)」を公開しました。基本ソフト(iOS)に標準搭載されている地図アプリ「マップ」が、最新版で著しく品質を落としたため、登場が待たれていたアプリです。(斎藤幾郎)

「帰ってきた」グーグル製地図アプリ

 「グーグル・マップ」は、iOS5.1以降に対応しており、「App Store」から無料でインストールできます。iPhone(3GS以降)、iPod Touch(第3世代以降)、iPadのそれぞれで動作しますが、画面はiPhone向けに作られており、iPadでは小さな表示になります。App StoreにはiPhoneアプリとして登録されているため、iPadで検索する際は注意が必要です。

 このアプリは公開されてすぐに「無料アプリ」のランキング一位になりました。グーグルによると、公開から48時間で、世界中のダウンロード回数が1000万回を超える人気アプリになったそうです。注目を集めた理由は、iPhone、iPadなどを動かす基本ソフト、「iOS」が最新バージョンの「6」になって、標準の地図アプリ「マップ」が大きな問題となっていたからです。

 iOS5までは、標準の地図アプリをグーグルと提携して開発していたのですが、iOS6で提携を解消し、アップル製のものに切り替えました。表示や機能ではすぐれていたのですが、肝心の、画面に表示される地図の品質が著しく低かったため、各国で非難の声が上がったのです。

 アップル自身もこのことを認めており、改善を約束しました。しかし、当面は他社製の地図アプリでカバーする必要があります。そこで、以前の「標準マップ」がグーグル製だったこと、ウェブ等で提供されている「グーグル・マップ」の利用者が多いことなどから、「グーグル製地図アプリ」の登場が期待されていたのです。

 その意味で、今回のアプリの登場は「グーグル・マップが帰ってきた」とも言えます。しかし、地図の表示や操作性は一新されており、使い勝手は「別のアプリ」と考えて良いほどです。地図のデータはウェブで提供されているグーグル・マップと共通ですが、一部の情報の見え方は、アプリ独自のものとなっています。

情報確認や「ストリートビュー」の表示にも対応

 メーン画面は全体に地図が表示され、その上に検索ボックスや現在地へジャンプするボタンがあります。かなりシンプルな表示です。アンドロイド・スマートフォンにもグーグル製のグーグル・マップのアプリがありますが、画面構成が異なります。

 表示される地図は、アップル製の新しい標準マップや、アンドロイド版の「グーグル・マップ」アプリと同じ、ベクターベースでの描画となりました。表示が高速化されただけでなく、二本指での拡大縮小や回転が自在にできます。施設の名称等の文字は、回転に合わせて向きが調整されます(画像2)。

 二本指を手前に引く(下に滑らせる)と地図が傾き、奥行きのある表示になります。データが用意された一部の建物は、立体的に描かれるようになりました(ただし、縮尺率によっては平面的な描画になります)。

 特定の住所や施設の場所を調べたい場合は、検索ボックスに入力します。「カフェ」「書店」などの分野名でも検索が可能で、その場合は画面に表示中の地点の周囲で、該当するポイントを探せます(画像3)。

 検索結果は地図上にマーキングされると同時に、画面下に情報シートが出て、選択中の項目の情報を確認できます。シートを上にスライドさせると表示が広がり、登録されている情報をいろいろと確認できます。商業施設の場合、ウェブサイトの有無や営業時間、口コミ情報などが並びます。

 情報シートは地図上の任意の場所を長押しして表示させることもできます。この場合は細かい情報が表示されませんが、データがある場所なら、パソコン版のグーグルマップでおなじみの、周辺の写真を立体的に合成して見せる「ストリートビュー」が使えます(画像4)。

アプリ内に経路検索やナビ機能も

 情報シートに出ている(地図上で選択されている)地点までの移動経路を調べたければ、シート右側の車のアイコンにタッチするだけで現在地からの移動経路が検索されます(画像5)。スタートとゴールの入れ替えや、標準でスタート地点に設定されている「現在地」を別の場所に指定するするのは簡単です。

 標準では道路を使った自動車による移動経路が検索されますが、鉄道(公共交通機関)、徒歩に切り替えることもできます。自動車利用時に高速道路や有料道路を使わない、鉄道検索時に出発時刻を指定するなどの検索条件は、「経路オプション」として指定できます。

 経路検索の検索結果からひとつを選ぶと地図上に経路が表示されます。自動車や徒歩での経路検索では、途中の要所要所を順に確認する「ガイド」機能が使えます。また、自動車(道路利用)で「現在地」からの検索を行った場合は、カーナビのような音声付きの道案内機能(ベータ版)も利用できます。

 鉄道(公共交通機関)経路を検索した場合は、乗るべき路線と発着時刻、運賃などを確認できます(画像6)。

 地図上には、高速道路や主要幹線道路の交通状況、都市部の地下鉄や新幹線等の鉄道路線図を重ねて表示することもできます(画像7)。表示する項目は画面右下に小さく出ている「表示タブ」にタッチするか、画面を2本指で右から左にスワイプして表示されるメニューから選べます。

 経路検索は、検索ボックス右のアイコンをタッチして始めることもできます。この場合は、スタート(標準では「現在地」)とゴールを入力して検索します。

パソコン等と検索履歴を同期できる

 アプリ内で検索履歴が保存されるため、最近検索した情報は一覧から選んで簡単に検索しなおせます。アプリからグーグルの各種サービスを利用する「グーグル・アカウント」にログインしておけば、自宅や職場の位置を登録したり、パソコンなど他の機器と検索履歴などの情報を同期することも可能です。パソコンで調べたお店の場所を、後からiPhoneで確認したりできるわけです。

 「グーグル・マップ」は、iPhone向けの地図アプリとして間違いなくお勧めできる一本です。ただ、地図の描画法が変更された影響か、以前の「グーグル製標準マップ」と比べると、場所や地図の向きによって線や文字が見にくく感じられることもあります。

 地図アプリは、グーグル・マップ以外にもいろいろあります。国内企業が作成した地図アプリは、地図上に表示される情報が多い、地下鉄路線を確認しやすい、乗り換え時の駅での移動も含めて検索できるなど、いろいろ魅力があります。

 それらも試してみて、自分が使いやすいと思うアプリを選ぶと良いでしょう。App Storeの「おすすめ」ページには「地図App」の項目があり、主要な地図アプリが紹介されています。

 現在はiPhone版のみの「グーグル・マップ」ですが、広い画面表示に対応するiPad版の登場が待たれます。また、アンドロイド版のグーグル・マップでは、一部の商業施設で階別のフロアマップが表示できるのですが、iPhone版はまだ対応していません。こちらの機能強化も期待したいところです。

   ◇

Google Maps製品情報 https://itunes.apple.com/jp/app/google-maps/id585027354?mt=8

プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち」(講談社)、「スマートテレビ スマートフォン、タブレットの次の戦場」(アスキー・メディアワークス)、「リアルタイムレポート デジタル教科書のゆくえ」(TAC出版)がある。

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