KDDIはスマートフォンの普及にともなうデータ通信の急増に対応するため、来年から家庭への無線LAN(Wi―Fi)普及を強化する。10月に売り出した「iPhone(アイフォーン)4S」では、テレビ電話などの機能を3月末までに使えるようにする。
就任1年を迎えた田中孝司社長が朝日新聞の取材に明らかにした。
家庭の無線LANの普及を急ぐのは、夜に自宅にいる時間のデータ通信が増えているためだ。家庭の光回線やケーブルテレビ回線につないで無線LANの電波を飛ばす装置を普及させて、スマートフォンによるデータ通信を固定通信網でも処理できるようにする。従来の携帯電話網の負荷が減り、KDDIは携帯電話の基地局を増やすコストを抑えることができる。ユーザーにとっても、通信速度が遅くなるリスクが小さくなる利点がある。
一方、iPhone4Sでは現在、テレビ電話のほか、留守番電話の伝言を端末に配信する機能などが競合のソフトバンクモバイル版でしか使えない。こうしたすべての機能をKDDI版でも使えるようにする。
田中社長は「iPhoneの端末は(ソフトバンクと)同じだが、通信が途切れず、ページが表示されるまでの時間が短いのはネットワークの技術のおかげだ。基地局の数だけでなく、他社が簡単に追いつけない部分。消費者もいずれKDDIの良さに気づいてくれると思っている」と述べた。