蓄電池業界で再編圧力が強まっている。ソニーは蓄電池事業の売却を検討。NECは経営破綻した米国の蓄電池メーカーのA123システムズの買収に名乗りを上げた。
業界関係者によると、ソニーにはこれまでに7―8社が接触した。しかし「ソニー自身が赤字を解消した上でないと引き受けられない」とし、交渉が進まなかったという。売却先として外資の名前が上がっているが、交渉難航が予想される。
現在の蓄電池の主戦場は携帯電話やパソコンなどの携帯機器。かつてソニーとパナソニック(旧三洋電機含む)が世界市場を席巻していたが、2011年に韓国勢に世界首位を奪われ、シェアを後退させている。携帯機器向けで韓国勢に対抗するにはシェアを奪い返す必要があり、ソニーの売却交渉が合従連衡に発展する可能性がある。
NECは今後の事業成長を見据えて、A123システムズの買収に動いている。NECが狙うのはスマートグリッド(次世代電力網)分野で電力の需給調整に使う蓄電池。買収が成立すればスマートグリッドの本家、米国で蓄電池供給の足場を築ける。NECにとって蓄電池を中心としたエネルギー事業は成長の柱。国内では車載用や家庭用の販売も始めた。
A123システムズを巡る買収合戦は米国では数カ月前から話題の的。いち早く買収交渉に動いたのは中国勢だったが、まとまらず、その後、独シーメンスをはじめ欧米勢らとともにNECも名乗りを上げた。
しかし、丸ごと身売りや切り売りでの選択肢が分かれ、交渉は難航。切り売りの場合、複数社がそれぞれ部門買収することになる。NECは「現段階で何もコメントできない」としている。
携帯機器用途以外の産業用蓄電池市場が立ち上がるのはこれから。IHIも米国企業と提携しており、今後も新市場を狙った再編もありえる。