米アップルコンピュータは10日、米インテル製の超小型演算処理装置(MPU)を搭載したパソコンを発売した。スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が同日、米サンフランシスコで始まった展示会「マックワールド」の基調講演で発表した。
発売されたのは、液晶一体型デスクトップの「iMac」とノート型「マックブック・プロ」(出荷は2月予定)の2機種。2つのプロセッサーを使ったインテルの新型MPU「コア・デュオ」を搭載した。ジョブズ氏によると、これまでの製品と比較して、処理速度は最大4〜5倍アップしたという。
アップルは昨年6月、パソコンの心臓部にあたるMPUを従来の「パワーPC」(IBMなどと共同開発)からインテル製に切り替える方針を発表。今年6月をめどに、最初のインテル搭載機種を発売するとしていた。
「マックワールド」は毎年、ジョブズ氏の基調講演で幕を開ける。昨年は「iPodシャッフル」と廉価版パソコン「マックミニ」が発表された。アップルは事前の情報流出を恐れ、情報管理を徹底しているため、マック・ウォッチャーが集まるブログや米大手メディアは様々な憶測を流す。ジョブズ氏の発表に自然と注目が高まる仕組みだ。今回の最大の注目は、インテル・プロセッサー搭載のノートパソコンが発売されるかどうかだった。
講演は約1時間半に及んだ。ジョブズ氏はまず、05年10〜12月期の業績を発表。売上高は57億ドル、携帯音楽再生機「iPod(アイポッド)」の出荷が1400万台(前年同期458万台)を超えたことを明らかにした。iPodでFMラジオが聞けるようになる専用リモコンも発表。ジャズ・トランペッターのウィントン・マルサリス氏を起用した新作CMも披露した。
続いて、写真・音楽・動画・DVD制作などの関連アプリケーションを紹介した後、ジョブズ氏は「次はコンピューター・システムそのものについて話そう」と語り、インテルMPU搭載の「iMac」を紹介。形状、価格も従来のものと変わらないが、「処理速度は2〜3倍になった」と強調した。
「iMac」の新作CMを紹介された後、恒例の「ワン・モア・シング(もう一つ)」の文字がスクリーンに浮かび上がると、会場から歓声が上がった。ジョブズ氏は「パワーPCの問題点は消費電力の大きさ。ノートブック型の改良ができなかった」と認め、インテル・プロセッサー採用の狙いがノート型にあったことを明らかにした。ただ「マックブック・プロ」のパフォーマンス能力は、これまでより4〜5倍向上したと胸を張り、ジョブズ氏は講演を締めくくった。