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2011年11月21日
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スティーブ・ジョブズ 100人の証言

夏野 剛「常に前向きに未来を信じて生きた」

聞き手・井上和典(アエラ編集部)

写真:夏野 剛(慶応義塾大学大学院特別招聘教授)夏野 剛(慶応義塾大学大学院特別招聘教授)

写真:AERAムック「スティーブ・ジョブズ 100人の証言」(朝日新聞出版)980円AERAムック「スティーブ・ジョブズ 100人の証言」(朝日新聞出版)980円〈購入はこちら〉

ジョブズは技術の未来を
信じて生きていた。
だから、常に前向きな姿勢で
いられたし、愚直に何かを
追い求めることができた。

 ジョブズは、単に「頭がいい」とか「センスが優れている」と評される存在ではなく、その前向きな生き方が最も象徴的だったのではないでしょうか。

 技術の未来を信じて生きていた。私にはそう思えるんです。信じることを楽しみながら生きていた人。だから、常に前向きな姿勢でいられたし、愚直に何かを追い求めることができたのだと思います。

 時代というのは、「後押し」するときと「邪魔」するときがある。邪魔されたときの挫折感ほど大きいものはありません。ジョブズは自分が作った会社から追い出されたし、病気で療養を余儀なくされた時期もあった。時代がついてきてくれなかったわけです。だからこそ、後押しされることの大切さを深く知っていたのではないでしょうか。世界が前進を続けている以上、いつかは時代が自分に追いつくこともある。そう、身をもって教えてくれました。

 ジョブズは、リーダーの模範となる人物。日本企業は彼をモデルにすべきだと思います。日本では、信念を持ったリーダーがはじかれることがよくある。信念が協調性を乱しているかのような捉え方をされてしまうのです。ジョブズが亡くなって、改めてその存在を知り、「信念」や「ビジョン」が企業経営にどれほど影響を与えるか、見つめ直す人も多いと思います。

 企業は、「個」を生かそうとする組織とつぶそうとする組織に分かれる。いまの日本では、後者が目立ちます。社内の調和ばかりを意識するのが必ずしも望ましいことではないというお手本を、ジョブズは体現してくれたのではないでしょうか。

   ◇

なつの・たけし/1965年生まれ。東京ガスなどを経て、97年にNTTドコモ入社。iモードの立ち上げにかかわる。現在、ドワンゴ取締役などを兼任。

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