現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. デジタル
  4. てくの生活入門
  5. 記事

インターネットのスラング

2008年5月19日

図   ※クリックすると拡大します

 ブログやチャット、ネット掲示板やミクシィ、携帯メール……。若い世代がこれほど誰でも彼でも、毎日好んで文章を書く時代はあったのでしょうか。「書く」が「打つ」になったいま、活字世代にはピンとこない言葉遣いや変わった表現、当て字、略字、顔文字などが、たくさん登場しています。今回は、意外に奥が深い「インターネット・スラング」の森に分け入ってみました。(中島鉄郎)

■慣れで理解できる表現も

 ネットの掲示板やチャットなどで比較的よく使われるとされるスラング(俗語)を分類してみました。パターンに慣れると、意味もなんとなく分かってくるような気がしませんか。

 東京大学生産技術研究所の喜連川優研究室は99年以降、国内のウェブサイトを保存し、カタカナで書かれた動詞を中心に、自動的に新語やスラングを抽出、分析しています。

 例えば「ググる」。00年に抽出されたのは120件でしたが、06年には9万629件に増えました。最初「グーグルで検索する」だった言葉が、次第に一般的な「検索する」という意味を表すようになったのです。

 「バモる」はスペイン語のvamos(行こうぜ)から、「バルビる」はゲーム「バルビレッジ」をするという意味で、これも新語の典型でしょう。

 同研究室の鍜治伸裕・特任助教は収集した言葉のなかで、「ハラシマる」に注目しています。漢字で書くと「原縞る」。原稿の「稿」が「縞」に誤変換されたのが由来だそうで、同人誌のコミュニティーで「原稿を書く」という意味で使われ始めた言葉だそうです。このように部外者には意味不明な言葉も多く、ギャル語やアスキーアート(文字と記号で描かれた絵)などが加わると、お手上げの場合もあります。

 「きぼんぬ」(希望する)、「おかしすぐる」(おかし過ぎる)、「おまいら」(おまえら)、「無理ぽ」(無理)なども、掲示板を中心に使われています。なぜ「過ぎる」が「すぐる」、「おまえら」が「おまいら」になるのかは不明です。

 また、「ネ」と「申」の2文字を続けて「神」と読ませたり、逆に「信者」を「儲」の1文字で表したりするケースも見かけます。もともとはウェブページの情報を自動的に検索する「検索ロボット」に引っかからないように生まれた表現との説があるようです。ホームページのアドレスを紹介している場合に、URLの先頭の「h」を除いていることがありますが、これも自動リンクさせないための策であるといわれています。

■英語にも「藁」「kwsk」

 20年以上前、英文のFAXで「ASAP」(as soon as possible=できるだけ早く)という略語に初めて出くわしたときは、意味がわかりませんでした。もともと英語の略語は多いのですが、チャットやオンラインゲームなど会話のスピードを要求される場面で、かなり進化しているようです。「海外のホームページでDDという略語を見かけますが、何の略ですか」という質問が、ある掲示板に載っていました。正解は「dear daughter」で、「うちの娘(こ)がね」というようなときに使うようです。

 インターネット・スラングでは、英語と日本語で同じような意味のものが見つかります。「LOL」は(laughing out loud)の略で、日本では「藁(わら)」「Ww」「爆笑」です。「PTMM」は(please tell me more)の略で「もっと詳しく教えて」。日本の「kwsk」にそっくりです。

 「エモーティコン」「スマイリー」と呼ばれる顔文字も古くから使われ、笑顔や怒りを表していますが、顔文字の多様さや高度な表現では、日本語のほうが断然上のようです。

 こわごわ英語のディープなネットコミュニティーのさらに奥に入ると、不思議な配列で文字が並ぶ文章がありました。「l33t sp34k」ですが、これはいったい? 「A」は「4」、「B」は「8」などのように形状が似ている文字を数字などで表現する「leet speak」というスラングだそうです。こうなるとスラングというより暗号の世界でした。

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内