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バックアップに何を使う?

2008年5月26日

図   ※クリックすると拡大します

 思い出の写真はデジタルカメラで撮影し、人の便りも多くが電子メールになったことで、大切なデータがパソコンの中に保存されることが増えました。デジタルデータは便利ですが、一瞬で消える恐ろしさと背中合わせにあります。信頼性の高いメディアにデータを残しておくことは、思い出を失わないためにとても重要なことです。(ライター 西田宗千佳)

■「思い出」を失わないために

 デジカメ写真は多くの場合、パソコンのハードディスク(HDD)に保存されているでしょう。これは非常に危険です。なぜならHDDは、一般の人々が思っているより、はるかにデータが壊れやすいからです。

 世界で最もHDDを使う企業の一つであるグーグルが、自社で使用した実に10万台のHDDから算出した統計によれば、なんと4分の1ものHDDが、使い始めて5年間で、なんらかの故障を起こしていたそうです。振動が加わりやすいノートパソコンの場合、HDDはさらに壊れやすくなるようです。

 ノートパソコンでみると、HDD容量は10年ほど前は数ギガバイトでしたが、現在は100ギガバイトを超すものが普通にあります。HDDはそれほど大容量化しており、さまざまなデータが蓄積されるようになっています。逆にいえば、データが壊れたときのダメージもどんどん大きくなっているのです。

 そうした事情もあり、パソコンメーカーは重要なデータのバックアップを強く推奨しています。HDDを内蔵したDVDレコーダーも「HDDは一時的な保存場所であり、重要な録画は光学ディスクへダビングを」と注意書きがあります。

 このようにHDDの故障に備えるにはデータのバックアップが一番です。問題は、何に保存するかということです。

 最も一般的なのはDVD―Rなどの光学ディスクでしょう。最近は容量の大きいブルーレイディスクも登場、大容量データが保存しやすくなりました。

 HDD同様、光学ディスクも永遠にデータを保存できるものではありません。信頼あるメーカーの製品で数十年、安物だと数カ月〜数年でデータが消えてしまうことがあるようです。

■定期的にコピーし直す

 有機色素を利用した記録型ブルーレイディスクの「LTHタイプBD―R」やDVD―Rは紫外線に、それ以外のディスクは熱に弱いといった特徴があります。いずれの場合も、ほこりが少なく、高温にならず、日光や蛍光灯の光が直接当たらない場所に保存しましょう。家族の思い出の画像といった大事なデータは、経年劣化によるデータ破壊を防ぐため、数年に1度、別のディスクにコピーし直すのがよいでしょう。

 デジタル放送をディスクに録画する場合、著作権保護技術によりディスクからの再コピーはできないため、そのディスクがダメになると映像は消えてしまいます。つまりデジタル放送番組の永久保存は、現状では残念ながら不可能です。

 ほかにバックアップに向くメディアとして、メモリーカードやUSBメモリーが挙げられます。容量単価は高いものの、静電気以外の環境変化に強く、データが消えにくいのが特徴です。ただしデータ保持期間は数年間なので、やはり時々コピーし直す必要があります。

 HDDのバックアップにHDDを使う方法もあります。外付けHDDを別に用意し、適宜コピーするわけです。いかに壊れやすいといっても、複数のHDDが同時に壊れる確率は低いためです。

 最近はRAID(レイド)という技術を採り入れた製品も増えました。複数のHDDに同じデータを自動的に重ね書きするもので、1台が壊れても他のHDDにデータが残っており、データを失う確率はさらに下がります。写真やビデオ、音声など大容量のデータを多く保存している人はRAID対応機器を利用するのも一案です。

 いずれにしても大事なのは、「複数の場所に保存する」「信頼のおけるメディアを、数年おきに更新して使っていく」という原則です。

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