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広がるワンセグの使い方

2008年6月9日

イラスト   ※クリックすると拡大します

 「テレビを持ち歩く」時代になりました。携帯端末向けに地上デジタル放送を本来より粗めの画像で流す「ワンセグ」放送は、携帯電話機だけでなく携帯音楽プレーヤー、DVDプレーヤー、電子辞書など様々な機器で見られるようになっています。「携帯電話より大きく鮮明な画像を見たい」という声に応え、日常のちょっとした暇に番組を楽しむ生活スタイルがひらかれつつあるようです。(及川智洋)

 ■携帯電話より大きな画面

 06年から始まったワンセグ放送によって、「テレビを身につけて移動する」ことが可能になりました。

 主力だった携帯電話は普及が進み、出荷台数が昨年末までに2千万台を超えて飽和状態に近づきつつあるようです。ただし、ワンセグ機能があっても使わない層が少なくありません。「画面が小さくて見にくい」「安定した受信がしにくい」などの声があります。

 一方で、昨年ごろから「携帯よりもう少し大きく、鮮明な画面で番組を見たい」「録画した番組を移動中や仕事の合間に見たい」といったニーズに応える新たな製品が多く登場しています。ただ、ビルの内部など受信しにくい場所もまだ多いため、注意が必要です。

 これらは通勤途中や出張中、仕事の合間の休憩などでの利用に加えて、家庭でも「もう1台のテレビ」の役割を担っているようです。「料理番組を見ながら実際の調理をしたり、寝床の手元に持ち込んで楽しんだり。中には家族のチャンネル争いの結果、1人でワンセグを楽しむというお父さんも少なくないようです」とメーカーの宣伝担当者は話しています。

 小型・軽量化に強みを発揮するソニーは携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」にワンセグ機能を搭載、最長で約100時間の録画が可能になりました。番組表からの予約録画や、番組の字幕をテキストで一覧表示して、その字幕から特定の場面にジャンプできるなど、きめ細かな機能をそろえています。

 ソニーはこのほかにも、ラジオ機能とワンセグを合体させた「ブラビア」のほか、名刺大のラジオでワンセグ視聴が可能な機種もあります。多彩なラインアップで、女性や中高年を含めた新しいユーザーの開拓に力を入れています。

 シャープは電子辞書「パピルス」にワンセグチューナーを搭載し、卓上でパソコンの横に置く小型テレビの機能を強調します。同社は「電子辞書で扱う情報に、テレビ番組によるリアルタイムの情報も加えて、30〜40代のビジネスユーザーを広げたい」と期待しています。

 DVDソフトの廉価化・普及とともに、ポータブルDVDプレーヤーの競争も激しくなっています。機能を競う中で、ワンセグ放送視聴可能というのも付加価値のひとつ。パナソニックの人気機種は、ノートパソコンに近いサイズ。画面の大きさと画質の良さから、出張、旅行向けに人気があるようです。長距離移動でテレビ局のエリアが変わっても簡単に選局し直すことができます。

 自動車などのナビゲーションシステムにも広がっています。サンヨーのポータブルナビは車の中でも映像が見やすく、市販のSDカードへの録画やタイマー予約録画も可能です。

 ■スポーツ需要が拡大のカギ

 今年4月から、従来の地上デジタル放送とは異なる、ワンセグ独自の番組を流すことができるようになりました。

 日本テレビは独自のプロ野球中継を今シーズンから開始、NHKも来年4月から、語学や歴史ものでの独自放送を検討するなどの動きがありますが、まだ手探りのようです。例えばスポーツ番組などに特化した編成にして、視聴者層を絞った広告モデルを作ることが可能かどうか、テレビ局側も見極めたい考えです。

 メーカーの関係者は「今のところワンセグの利用者は、ニュースとスポーツをリアルタイムで見たい層が比較的多いようです」とみています。今年の北京五輪やサッカーW杯予選などの、大きなスポーツイベントに際しての利用が、ワンセグの今後を占う試金石の一つになると予想されています。

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