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価格破壊カーナビの実力

2008年8月11日

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 従来15万〜25万円が相場だったカーナビに価格破壊が起きています。「PND(パーソナル・ナビゲーション・デバイス)」と呼ばれる簡易型カーナビの登場です。基本のナビゲーション機能は十分に高精度で、余分な機能を省いて、4万〜7万円台という価格を実現しています。高価格機に比べ、パソコンとの連携機能は逆に充実しているのも特徴です。

■精度は上位機とほぼ同等

 PNDの特徴は、従来のカーナビシステムより小型で汎用性が高いことです。車への取り付け工事が不要で、タッチパネル液晶は小さく、持ち運びできます。地図の保存にはDVDやハードディスクではなく、フラッシュメモリーを使っています。

 15万〜20万円台のカーナビで一般的な音楽録音再生やDVD再生、地上デジタル放送対応といった機能は省かれています。PNDは「道案内の道具」というカーナビの基本に立ち返り、機能を絞り込むことで実売4万〜7万円前後という低価格を実現しているのです。取り付け工事が不要なので、その工賃も節約できます。

 肝心のカーナビ性能はどうでしょうか。PNDは車への取り付けや配線をしないので、「車速パルス」と呼ばれる車両側のセンサー情報は使えません。位置の測定やナビゲーションは、衛星の全地球測位システム(GPS)信号から認識する現在地を、液晶画面に表示する道路上にうまく合わせる「マップマッチング」という技術を使います。一昔前のカーナビは誤差が大きかったのですが、高精度GPSアンテナの開発とマップマッチング技術の進歩により、単体でも精度の高いナビゲーションを実現しています。

 さらに、内部にジャイロセンサーと加速度センサーを搭載して、車の向きや加速を検知します。ソニーの「nav―u」ではこれに加えて、気圧センサーまで搭載しています。これら内蔵センサーの働きと、進化したGPS技術により、PNDは従来のカーナビに負けない測位精度を実現しているのです。

 筆者はこれまで多数の製品を使い比べましたが、PNDは最新のハイエンドカーナビには劣るものの、15万〜20万円台のモデルと比較すれば、見劣りしない測位精度やナビゲーション性能を持つものばかりでした。カーナビとしては実用に十分なレベルにあるといえるでしょう。

■世界的な急成長ジャンル

 PNDは従来のカーナビから余分な機能をそぎ落とした製品ですが、一方で、機能が強化されているポイントもあります。それがパソコンとの連携やネットサービス対応の部分です。

 ソニーの「nav―u NV―U2」やガーミンの「nuvi250 Plus」などは、USBでパソコンに接続し、目的地検索やルート設定が可能です。新しい地図への更新などもパソコンからできるようになっています。「nav―u」には専用の地図サービスもあり、レストランをはじめさまざまなスポット情報や口コミ情報が共有できます。このようにパソコンとの連携が簡単なのは、持ち運びが容易なPNDならではでしょう。

 パイオニアの「エアーナビ AVIC―T10」は、オプションの通信サービスに申し込むことで、外出先から専用の通信サービスに接続し、高精度なリアルタイム渋滞情報や、ヤフーと連動したタウン情報、レストラン情報などが利用できます。インターネット経由でパソコンとの連携も可能です。このサービスは月額1029〜2079円の定額制で、通信料金も含まれています。

 家電的な使いやすさなら、三洋電機の「ミニゴリラ NV―SB360DT」がおすすめです。操作メニューのわかりやすさが重視されており、カーナビ操作が苦手な人にも使いやすくなっています。画面のアイコンや文字も見やすく、シルバードライバー向けPNDといえるでしょう。

 PNDは世界的に急成長しているジャンルであり、今まで「カーナビは高いのでいらない」と思っていた層を中心に、日本でもヒットする兆候が見え始めています。(通信ジャーナリスト 神尾寿)

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