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携帯ワンセグで変わるTV

2008年10月20日

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 携帯電話でテレビが見られるワンセグは、いまやケータイの標準機能といえるほど人気です。今までは外でテレビを見る単純な利用法が中心でしたが、最近、大規模商業地やイベント会場などに絞った番組を放送する「エリア限定ワンセグ」が始まり、注目されています。テレビは広域で放送するものという常識が塗り替えられるかもしれません。

■場所に合わせた放送可能に

 地上デジタル放送のワンセグは、携帯電話をはじめ、カーナビや携帯ゲーム機など様々なモバイル機器が対応しています。家庭用デジタルテレビで見る「フルセグ」より画質は大幅に劣るものの、いつでもどこでもテレビが見られる手軽さが長所です。

 ワンセグは各放送局のチャンネルの一部の電波(1セグメント)を使うことからこう呼ばれます。これまでは家庭用テレビ放送と同じ番組がそのままワンセグでも放送されており、これを「サイマル放送」といいます。「家のテレビと同じ番組がケータイでも見られる」ことから、ワンセグ対応の携帯電話は大ヒットしました。

 今年から大幅に規制が緩和された結果、サイマル放送以外の放送も可能になりました。各放送局がワンセグ向けに番組を変更したり、見やすく修正したりする「非サイマル放送」や、特定の地域や施設内でのみ特別な放送をする「エリア限定ワンセグ」が解禁されたのです。これにより、家のテレビと同じ番組だけでなく、モバイル向けの特別な番組をワンセグで見ることが可能になりました。

 ここで注目が集まっているのがエリア限定ワンセグです。小さなアンテナと送信機を使い、半径数百メートル程度の限られたエリアで独自編成のワンセグ放送を流します。イベント会場、駅周辺の繁華街や商店街、さらには博物館など特定の場所だけで、特別なワンセグ放送をすることができます。

 エリア限定ワンセグは様々な地域で実証実験が行われています。大規模なものは8月に読売テレビ放送、NTTドコモ、日立製作所など5社が共同して大阪市内の夏休みイベントで行った期間限定サービスでしょう。ほかに、東京や名古屋などでも実験が繰り返されています。

■大都市中心に実験が進む

 エリア限定ワンセグは受信できる場所が限られており、内容もそこにいる人に向けたものになります。例えば、いま東京・渋谷で行われているイベントの情報を渋谷駅周辺にいる人たち向けに流す、といったこともできます。他にも、大学のキャンパスで学生向けの番組を放送したり、美術館や博物館で展示中の作品にちなんだ番組を放送したりするなど、場所に合わせた放送が可能です。

 ユーザーにとって難しくはないのでしょうか。

 エリア限定ワンセグは既存の放送局と違うチャンネルを用いて放送します。そのためワンセグ対応ケータイなど一般的なワンセグ機器に初期登録されているチャンネル情報は使えないことが多く、手動でエリア限定ワンセグのチャンネルにチューニング(周波数合わせ)をする必要があります。この作業は一般ユーザーには難しく、エリア限定ワンセグ普及のハードルになっています。

 この設定を簡単にする仕組みも登場してきています。NTTドコモのワンセグ対応ケータイには、携帯サイトを使って新たにチャンネルが設定できる機能が用意されています。おサイフケータイやQRコードの機能を使えば、サイトのURLを簡単に読み取れるので、携帯サイト接続機能と組み合わせて、ワンタッチでエリア限定ワンセグが設定できます。通信機能を持つケータイにワンセグが搭載されている強みといえるでしょう。大阪のイベントではこの仕組みが利用されました。こうした仕組みを使えないときは、手動で設定することになります。

 エリア限定ワンセグは、新たな放送メディアとして今後広がりそうです。街角やイベント会場で放送の案内を見つけたら、試してみるといいでしょう。(通信ジャーナリスト 神尾寿)

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