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パソコンの処分は要注意

2009年11月16日

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 通常、新しくパソコンを買うと、前のパソコンは不要になります。処分するには、捨てる▽知り合いにあげる▽中古パソコン店に買い取ってもらう――といった選択肢があります。どの場合でも注意しなければいけないことが一つ。それはデータを完全に消去しておくことです。「完全に消す」とはどういうことなのか、なぜそういった作業が必要なのか、どうすればいいか。今回はそれを説明します。

■個人情報が大量蓄積 データの完全消去を

 長く使い続けたパソコンにはさまざま々な個人情報が蓄積されています。すぐに思いつくのは、文書ファイルや写真、メールデータなどでしょう。「じゃあ、それを消せばいい」という考えは、二重の意味で危険をはらんでいます。

 一つは、「個人情報」は目に見えるものだけではないこと。例えば、ネット接続用のIDやパスワード、ネットショッピングをした際のカード番号などは、表には見えないけれど、内部に記録されている場合がほとんど。それらをきちんとすべて消すのは、相当技術に詳しい人でも難しい作業です。

 二つ目は、「消したデータも復活できる」という点です。OSに搭載されている「ゴミ箱」機能は、ファイルの一部だけを削除し、見かけ上は消去して容量を確保しますが、完全にデータを消してしまうわけではありません。

 「ファイル復旧ソフト」と呼ばれるソフトを使うと、消したはずのファイルが再び読み出せる場合があります。ハードディスクを初期化した場合や、付属のリカバリーディスクで出荷状態に戻した場合も同じで、ファイルが完全に消えてしまうわけではありません。最近はファイル復旧ソフトも進歩し、かなりの確率で狙った情報を復旧できます。自分で間違えて消してしまったときには便利ですが、悪用されると大変です。

 パソコンを廃棄したり、他人に譲ったりする場合、特殊な方法でファイルを完全に消去するソフトを使い、ハードディスク内部をまっさらにする必要があります。

 図下で紹介しているような「完全消去ソフト」は、ハードディスクをフォーマットする際、データ全体を特殊なパターンで何度も上書きすることで、ファイル復旧ソフトでもデータを取り出せなくする機能を持っています。富士通など一部のパソコンメーカーは、パソコンに「完全消去ソフト」を添付しているので、それを使うのがいいでしょう。そうでなければ、市販の「完全消去ソフト」を購入して作業するという方法もあります。他人に譲る場合は、それから出荷状態に戻せばいいわけです。

 中古品として事業者に引き取ってもらうなら、「パソコンを受け取って再利用する際、プライバシーを守り、情報の完全消去を行う」ことを確約している業者を選びましょう。目安の一つが、「中古情報機器協会(RITEA)」の「認定中古情報機器取扱事業者」の認定を受けているかどうかです。RITEAは、専用ソフトウエアによるデータ消去を行う事業者にこの認定を与えています。自分でデータを消去するのが大原則ですが、さらにこうした事業者に引き取ってもらうことで、安心感は増すでしょう。

 廃棄も要注意。捨てたつもりでも、パソコンが拾われて再利用され、情報流出につながる場合があります。「壊れていて起動しないから問題ない」と考えるのは正しくありません。

 データの消去ができない、または面倒な場合、パソコンを分解し、ハードディスクだけを取り外して廃棄すると安心です。それでも、いずれはハードディスクを捨てる必要に迫られます。確実に自分でデータを消すか、ハードディスクを物理的に破壊して事業者に処分を依頼することになります。

 同様のことは、各種メモリーカードや携帯電話などでも言えます。重要な個人情報を入れたことのあるメモリーカードを処分する際は、厳重に消去するか破壊してから処分しましょう。(ライター 西田宗千佳)

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