海中で見つかった中身のないウニ(歯舞漁協提供、今月4日写す)
北海道根室市の納沙布岬周辺に住み着いている野生のラッコが、地元の歯舞漁協が育てていたウニを食べている可能性が高いことが、11日までの漁協や市の学芸員の調査などでわかった。ラッコは国際保護獣で捕獲は禁止されている。多いときは6、7匹の野生のラッコが姿を見せ、人気スポットになっており、同漁協は対応に苦慮している。
3月に解禁になった根室半島のオホーツク海側の漁場で4日、中身のない大量のウニの殻が見つかった。同漁協がダイバーに依頼して調査したところ、深い場所から水深の浅い場所に移して育ててきた約3トンのウニが「ほぼ全滅状態」で被害額はわかっただけで約500万円という。
根室市歴史と自然の資料館の近藤憲久学芸員は「ラッコ特有の食痕が認められる」と指摘。ラッコは一日10キロから12キロの餌を食べ、ウニやカニが大好物。「心配していたことが現実になったようだ」と話す。
同漁協によると、昨年のオホーツク海域でのウニ水揚げ額は約2億3千万円。伊藤康彦常務は「せっかく育てたウニが食べられてしまっては漁業者はやりきれない。他のウニ漁場の実態も調べ、道や水産庁などと協議して対応策を考えたい」と話している。