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エコの追い風、自転車タクシー快走 全国24都市で運行

2009年1月26日13時14分

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図拡大自転車タクシーの普及状況

 環境にやさしく、都市の渋滞緩和にもつながる乗り物として自転車タクシーが全国に広がっている。ドイツ発祥で、三輪タイプのベロタクシーは現在、24都市で運行。これとは別タイプの「ご当地輪タク」も増えている。ただ、採算の確保や、交通規則のため走行できない地域もあり、普及に向けた課題も残る。

 日曜午後の那覇市。観光客や買い物客でにぎわう国際通りから車の姿が消え、客を乗せたベロタクシーがゆったりと走る。中心区間の1.3キロは毎週日曜の正午〜午後6時、ベロタクシーと路線バスだけが通行できる「トランジットモール」になる。市などが07年4月から、慢性的な渋滞緩和と排ガスの抑制を狙ってスタートさせた。

 ベロタクシーは1時間1千円で貸し切りが可能で、生活の足として定着。利用者の7割超は地元の住民で、病院やスーパーを回るお年寄りもいるという。同市内を中心に5台を走らせるグループの代表、高江洲(たかえす)悦子さん(47)は「街に人が戻ってきた感じがする。子どもの送り迎えにも好評です」と話す。

 ベロタクシーは12年前にドイツで開発された。全長3メートルで坂道用の電動モーターを備え、後部席に大人2人と子ども1人を乗せ、平均時速11キロで走行できる。国内ではNPO法人「環境共生都市推進協会」(東京)が02年春から京都市で走らせた。現在は各地のNPO法人や企業が22都道府県の24都市で約100台を走らせている。

 京都市内では中心部で3台を運行。初乗り500メートルまでが300円で、100メートルごとに50円加算される。冬季は寒さのため休業しているが、春から秋の週末には観光客を中心に1日1台10人程度の利用があるという。

 規格が統一されたベロタクシーとは別に、独自の自転車タクシーを走らせる取り組みも増えている。

 鹿児島市内では昨年6月から、中村剛康(たかやす)さん(36)が、大人2人が乗れる4輪自転車タクシー「かごりん」を運行。馬車のようなレトロな外観が特徴で、篤姫ゆかりの観光地などを走る。香川県さぬき市の自転車メーカー「Ive emotion」が昨秋開発した輪タクは重さ46キロと軽量だが、大人2人が乗れる。高松市で今夏からの運行を目指している。

 ただ、収入が安定しないケースも多く、普及に向けた障害となる例もある。滋賀県彦根市でベロタクシーを運行するNPO法人の「五環(ごかん)生活」の竹内洋行副代表(37)は「車体広告を収入源としたいが、利用する企業が少なく苦戦中」と話す。知名度を上げようと今春から、畳や漆を使った和風の6輪自転車「彦根リキシャ」を導入する。

 交通法規が「壁」となる地域もある。都道府県は、道路交通法に基づく施行細則などで自転車の定員を規制などしている。環境共生都市推進協会の働きかけなどで施行細則が改正された府県もあるが、なお11県では今も3輪自転車に客を乗せての運行が認められていない。

 香川大工学部の土井健司教授(交通計画)は「自転車タクシーが普及する潜在需要はある。今後は自転車と歩行者や車が共存できるインフラ整備や、環境と調和して暮らす価値観の浸透が課題になるだろう」と指摘する。(溝呂木佐季)

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