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熱すると縮む物質、京大化学研が発見 精密機械に応用

2009年3月5日13時42分

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図熱すると縮む物質の構造

 通常の物質は熱するとふくらむ一方だが、京都大学化学研究所の島川祐一教授(固体化学)、博士研究員の龍有文(ロン・ユーウェン)さんらは、セ氏120度で1%も体積が収縮する物質を見つけ、5日発行の英科学誌ネイチャーで発表した。高温で使う精密機械部品などに応用できそうだ。

 この物質は、ランタン、鉄、銅を1対3対4で含む酸化物。特殊な装置で1100度、10万気圧という高温高圧下で合成した。X線などで調べると高温超伝導物質などで注目された「ペロブスカイト」という構造だった。

 零下170度から温度を上げると次第に膨張するが、0.5%ほどふくらんだ120度で、一気に体積が1%収縮し、さらに温度を上げるとまた膨張することを見つけた。

 最近、温度を上げると少し縮む物質は見つかってきているが、このように極端な性質を持つものは初めてという。

 この物質の性質を詳しく調べると、120度で鉄のイオンにある電子が銅のイオンへ急激に移動し、それぞれのイオンの大きさが変化するのが収縮の原因という。同時に、電気的性質については絶縁体から伝導体に変化しており、磁気的性質についても変化があったという。

 島川教授は「エレクトロニクスでは、サイズが小さくなるにつれて発熱で素子が膨張し誤動作の可能性が出ることが問題になっているが、収縮する物質と組み合わせると解決できるかもしれない」と話している。

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