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山陰の中海堤防、28年ぶり通水 干拓中止うけ開削

2009年5月11日13時11分

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写真中海の堤防開削工事が大詰めを迎え、矢板を抜く作業が始まった=11日午前10時すぎ、松江市、本社ヘリから、荒井昌明撮影

写真中海の堤防開削工事が大詰めを迎え、矢板を抜く作業(手前)が始まった=11日午前10時すぎ、松江市、本社ヘリから、荒井昌明撮影

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 国が干拓・淡水化事業を中止した中海(島根、鳥取両県)で、干拓予定地を仕切る森山堤防(3.1キロ)の一部が60メートルにわたって開削された。工事のために設置されていた矢板を引き抜く作業が11日に始まり、28年ぶりに堤防内外の水が交わった。

 81年に完成した森山堤防は最大の干拓予定地だった本庄工区の北側を仕切り、00年の干拓中止後も島根県道として使われてきた。水質改善などにつながるとして島根、鳥取両県が開削を求め、農林水産省が07年から約7億円をかけて工事を進めていた。174枚の矢板を設置したうえで堤防を削り、橋を架けた。矢板の引き抜き作業は15日に終わる予定。

 中海の干拓・淡水化事業は食糧増産を目的に63年に始まり、本庄工区は森山堤防と南側の大海崎(おおみさき)堤防で仕切られた。中海漁協理事の石倉正夫さん(61)によると、日本海でのカレイや車エビの漁獲量は、産卵場所だった中海に堤防ができて以降、激減したという。

 本庄工区周辺の水質を調査している島根大学汽水域研究センターの瀬戸浩二准教授は「本庄工区の水質は現状よりは良くなるだろう。いったん壊した自然を完全に元へ戻すのは不可能だが、今回の結果を見極めたうえで、堤防の他の場所も開削するなどの対策を考える必要がある」と話す。

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