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里山の「利用保全」訴え COP10・知事サミット

2010年10月21日14時8分

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写真拡大「里山知事サミット」で、里山の利用保全の考え方について説明する谷本正憲石川県知事(左から2人目)=COP10会場内の日本政府特設テント

 名古屋市で開催中の国連地球生きもの会議(生物多様性条約第10回締約国会議=COP10)の参加者に、人と自然が共生する日本の「SATOYAMA」の価値を発信しようと20日、保全に力を入れている自治体が集う公式関連イベント「里山知事サミット」が開かれた。谷本正憲知事も参加し、過疎化が進む里山を積極利用することで保全する考え方や、かつて里山に多く生息していたトキの分散飼育などの取り組みを紹介した。

 里山とは、農村とその裏山など、人の営みと周辺の自然が一体となっている地域のこと。適度に間伐された山林や棚田、ため池などには多様な生物が生息している。

 COP10で政府は、こうした里山のあり方を自然との共生の好例と位置づけ、「SATOYAMAイニシアチブ」として発信。県の約6割が里山とされる石川も、里山の積極的な利用や人材育成などを盛り込んだ独自の「生物多様性戦略ビジョン」策定を進めている。2008年にドイツで開かれたCOP9では、谷本知事が里山の保全活動について報告しており、今回のサミットにも加わった。

 講演で谷本知事は「能登半島は全域が里山といっても過言ではなく、県を挙げて里山里海の再生に取り組んでいる。人とのかかわりの中で維持されてきた里山里海の保全には、人がそこに住み、利用し続けることが求められている」と指摘。荒廃する森林の整備にあてる「いしかわ森林環境税」の導入や、住民が熱心に保全に取り組む県内7カ所を「先駆的里山保全地区」に選んで重点支援していることなどを挙げ、「里山の利用保全」の必要性を強調した。

 このほか、いしかわ動物園でのトキ分散飼育や、12月に金沢市で国際生物多様性年クロージングイベントが開かれることも紹介した。サミットには谷本知事のほか、地元・愛知県の副知事や兵庫県の部長らが出席。兵庫県の佐藤啓太郎・環境担当部長は、同県豊岡市でのコウノトリ野生復帰事業について報告した。

 国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットのあん・まくどなるど所長は「『Think grobal,act local(地球的視野で考え、地域で行動する)』だ。これから日本では知事のリードのもと、ローカルのネットワークで持続可能な社会づくりがスタートする」と、各県の意欲を高く評価した。

 サミット終了後、谷本知事は「現場に近い立場から、里山の活用を国際会議で発信できて良かった」と話した。(矢代正晶)

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