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諫早湾訴訟、国が控訴 環境アセスは実施方針

2008年7月11日3時9分

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写真記者会見する若林農水相=10日夜、東京・霞が関、林敏行撮影写真若林農水相の発表を受けて会見する馬奈木昭雄弁護団長(中央)。右は原告の平方宣清さん=10日午後8時12分、佐賀市中央本町、長沢幹城撮影写真記者会見で険しい表情を見せる原告の漁民ら=10日夜、東京・霞が関、林敏行撮影写真潮受け堤防の排水門。奥が調整池と干拓地=長崎県諫早市、本社ヘリから、柏木和彦撮影図

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)をめぐり、排水門の5年間の常時開門を命じた佐賀地裁の判決について、若林農林水産相は10日、福岡高裁に控訴したことを明らかにした。一方で、排水門を開けた状態で有明海への事業の影響を調べる「開門調査」が可能か判断するため、環境影響評価(アセスメント)を実施すると表明した。

 10日夜に記者会見した若林農水相は控訴の理由として、佐賀地裁の判決が、排水門を開放した場合の農業被害について「公共性、公益性があるとは言い難い」とし、洪水災害などは対策工事で代替し得ると断じている点を問題視。干拓地の入植農家らの被害を憂慮する声を無視して、常時開門はできないとした。

 一方で、若林農水相は、事業の影響で被害を受けたとされる漁業者らの思いをくみ取るとし、環境省と調整したうえで、開門調査のための環境アセスメントの実施を明言した。漁業者、営農者、地域住民らが納得できる方法で、中長期開門した場合に海や干拓地、調整池の自然環境にどのような影響が出るのかを科学的に評価するという。

 ただ、アセスの具体的方法や実施時期について、若林農水相は「環境省の助言を得て決めていきたい」と述べるにとどめた。また、アセスの結果次第で「開門調査」をしないこともあり得るとし、「開門調査」を実施することになった場合についても、開門の期間や方法については「開門の仕方はいろいろある」として、具体的な言及は避けた。

 農水省はこれまでにも短期の開門には応じている。しかし、同省OBらによる調査検討会議を設けて、中長期開門には否定的な見解をまとめ、04年にはその見解を元に、当時の農水相が中長期開門を見送った経緯がある。

 今回も中長期の開門調査を実施するとの明言は避けて、結論を先送りした側面もある。

     ◇

 〈国営諫早湾干拓事業〉 防災と農地造成を目的に、長崎県・諫早湾奥部を長さ約7キロの潮受け堤防で閉め切り、干拓地と調整池を設けた事業。89年に着工し、97年に堤防が閉め切られ、07年11月に完工。今年4月から営農が始まっている。

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