ダイトウコノハズク=大阪市立大の高木昌興准教授提供
一夫一妻のはずなのに一夫多妻になった鳥が、沖縄県の南大東島にいる。島固有のフクロウの仲間・ダイトウコノハズク。メス同士のいさかいはないが、森林の減少など環境の変化が影響した可能性もあるという。大阪市立大の研究グループが12日に立教大(東京)で始まる日本鳥学会で発表する。
ダイトウコノハズクは体長20センチほど。モクマオウなどの木の幹に空いた穴に巣を作る。研究グループは07年と今年、1羽のオスと2羽のメスが一つの巣にいるのを発見。巣に小型カメラを置いて生態の観察を続けてきた。
今年は2羽のメスが卵を3個ずつ産んだ。最初に産んだメスの卵が孵化(ふか)すると、3羽は協力してえさを運び、ひなを育てた。もう1羽のメスが産んだ卵は放棄されたが、メス同士で敵対行動はなかった。DNAを調べた結果、3羽に血縁関係はなかった。
世界で200種類以上いるフクロウのなかで、一夫多妻での繁殖が確認されているのは10種類ほど。さらに複数のメスが一つの巣で産卵する例は極めて珍しいという。
南大東島に生息するダイトウコノハズクは300羽足らず。調査にあたった大学院生の松尾太郎さん(24)によると、島で森林伐採が進み、巣を作れる木をなわばりに持つオスが減って一夫多妻になった可能性があるという。松尾さんは「さらに樹木が減れば、一夫多妻が増えるかもしれない」と心配している。(福島慎吾)