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沖縄の泡瀬干潟埋め立て、県と市の事業差し止め判決

2008年11月19日13時4分

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 南西諸島最大の干潟といわれる沖縄県沖縄市の泡瀬干潟(約265ヘクタール)の埋め立てで、希少生物の生存が脅かされるとして、県内の住民約600人が県と市に事業予算の支出差し止めなどを求めた訴訟で、那覇地裁(田中健治裁判長)は19日、原告の訴えを認め、県と市に今後の公金支出の差し止めを命じる判決を言い渡した。

 判決は、沖縄市の東門美津子市長が昨年12月、環境などへの影響を理由に、埋め立ての縮小を含めた計画の見直しを表明していることを指摘。見直し後の具体的な土地利用計画が示されていない現時点では、県による埋め立て事業と市による海浜開発事業ともに「経済的合理性を認めることができない」として、公金の支出は地方自治法に違反するとの判断を示した。

 すでに支出されたり判決確定時までに支払い義務が生じたりした公金については、差し止めなどを認めなかった。

 原告側は裁判で「リゾート開発はバブル期の数値をもとにした計画で、実現可能性がない」と主張。対する市側は「基地依存経済から脱却し、まちづくりの将来像を実現するために必要不可欠な計画だ」と反論していた。

 また、02年の着工前に「環境への影響は少ない」と結論づけた国の環境影響評価(環境アセスメント)が適正かも争点になっていた。判決は「(調査に)不十分な点が散見される」と指摘しつつ、違法とまでは言えないとした。

 原告側は、アセス後も新種のカニや貝などの発見が相次いだことなどから「調査方法はずさん」と訴えていた。県と市は「当時の科学的知見に基づいており、後日に新種が発見されても(調査に)不備があったとはいえない。(埋め立て後も)82%の干潟が残る」と主張していた。

 市などによると、沖縄市泡瀬沖合の干潟を含む約187ヘクタールを埋め立て、人工島にホテルやビーチなどを建設する計画。国と県が約490億円、市が約275億円の支出を見込む。09年には埋め立てが終わる予定だったが、新種の生物の発見で工事は中断し、大幅に遅れている。

 「泡瀬干潟を守る連絡会」の前川盛治事務局長は「予想以上の判決。大きな前進だ。東門市長が事業の見直しを表明せざるを得なかったのは、そもそも当初計画に無理があり、ホテル進出などの見通しが全く立っていなかったからだ。(国、県、市は)判決を真摯(しんし)に受け止め、考え直してほしい」と語った。

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