現在位置:
  1. asahi.com
  2. 環境
  3. 国内(自然・生態系)
  4. 記事

お疲れミツバチにどうぞ 群れを元気にする善玉菌発見

2009年6月21日9時9分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 ミツバチの伝染病を防ぎ、群れの増大に効果がある善玉菌を宮崎大学農学部の前田昌調(まさちか)教授(微生物学)が発見した。園芸農業で授粉に使うミツバチは、輸入が止まったことなどから全国的に不足している。前田教授は「薬剤を使わずハチを元気にする。ハチ不足の解消になれば」と話している。

 前田教授と日本養蜂はちみつ協会(東京都)が17日、宮崎県庁で発表した。菌が入った液体を22日から販売する。ミツバチのエサに混ぜたり、水で薄めて巣箱に噴霧したりして利用できる。

 前田教授によると、見つかった善玉菌はシュウドモナス属の新種の細菌で、ミツバチの水飲み場になっていた宮崎県小林市のわき水から採取した。同属の細菌は土壌や水中に多く生息するが、この新種は特に強い抗病原菌、抗ウイルス作用を示したという。

 ミツバチの代表的な伝染病は、幼虫に感染して群れを全滅させる危険がある腐蛆(ふそ)病やチョーク病。同協会によると、有効な薬剤がほとんどなく、「腐蛆病の発症が見つかった場合、感染防止のため群れごと焼却処分している」という。

 前田教授は、新種の細菌を入れた容器で腐蛆病やチョーク病の病原菌を培養したところ、菌を入れない場合に比べ病原菌の増殖を7〜8割阻害したことを確認した。また、腐蛆病に感染させたハチの群れ(約300匹)に同菌を混ぜた砂糖液をエサとして与えたところ5週間たっても発症はゼロ。一方、菌を混ぜない群れでは16匹が発症した。さらに、エサに菌を混ぜた群れのハチの5週間での増加数は、混ぜない群れと比べ平均2倍となったという。

 「菌を与えると、一匹一匹の活力が上がり、群れが安定する」と前田教授。近年、米国を中心に発生している大量のハチの群れが消失する「蜂群崩壊症候群」にも有効ではないかとみている。

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内