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厄介ものの火山灰シラス、資源化に道 しかも無尽蔵

2009年6月21日13時31分

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写真シラスを大きさごとに自動選別するシラスバルーン製造装置=鹿児島県大崎町野方

写真シラスバルーン

 数万年かけて南九州一帯に降り積もった火山灰のシラスを幅広く資源として活用する新技術が鹿児島県で生まれた。シラスから作る微細な粒状の素材「シラスバルーン」はこれまで南九州のシラスの0.01%程度からしか精製できなかったが、資源開発会社プリンシプル(鹿児島市)が鹿児島県工業技術センターと共同で開発した新型製造装置によって無尽蔵のシラスすべてを活用できるようになった。

 姶良カルデラから噴き出したシラスは、鹿児島や宮崎を中心に広がる九州南部のシラス台地に、琵琶湖16杯分にあたる約4500億立方メートルの埋蔵量があると言われる。

 シラスバルーンは、微細なシラスを1千度の高温で加工して発泡させた素材。シラスの粒の中に空気を入れて風船状(球体)にすることで軽くて断熱性に優れるとされ、軽量プラスチックや自動車の内装部品の素材として需要が高い。

 だが、バルーンに使えるシラスは粒子の大きさが一定でガラス成分の含有率が高いものに限定される。このため、鹿児島市吉田と宮崎県えびの市加久藤で取れるシラスしか精製できなかった。

 新型製造装置は、シラスを数ミリ単位から0.005ミリ以下まで5段階に分別できる。粒子の大きさがそろっていないシラスでも、自動でより分けてバルーンを作れるため、大量生産が可能になるという。

 これによって1トンあたり約30万円で販売されていた価格も20分の1程度になる見通し。バルーンには適さないシラスも粒をそろえられるため、大きなものはコンクリートなどに、小さなものはシャンプーの配合成分などに利用できる。

 新型製造装置の開発費は1億円を超えたが、同社の東和朗社長は「無尽蔵にシラスを使えるので資源開発の革命になるはず」と自信をみせている。(森本浩一郎)

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