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諫早水門閉め切り、有明海底の粘土化招く? 佐賀大研究

2010年3月24日10時20分

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 国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)の潮受け堤防排水門の閉め切りが、二枚貝タイラギの不漁が目立つ佐賀県南西部沖で、海底の粘土化をもたらした可能性がある、との研究成果が21日に佐賀市であったシンポジウムで公表された。佐賀大の有明海総合研究プロジェクトチーム(山下宗利プロジェクト長)が5年間の研究をもとに分析した。

 有明海特産のタイラギは、十数年前から不漁が続き、2004〜05年度は休漁に追い込まれた。漁場の土砂の粒が粘土化し、稚貝が発育中に「立ち枯れ」している、との指摘がある。

 佐賀大の速水祐一准教授(沿岸海洋学)らは、水中を浮遊する粘土などの粒子に着目。実測データやシミュレーションなどで粒子の動きを解析した。

 有明海底層の粒子は、年間を通じて有明海の奥に北上することを実測で確認。また、諫早湾内で底から巻き上げられた泥の粒子が湾外に流出していることも確認した。

 湾内からの粒子の流れを、堤防がある場合と無い場合の両方を想定してシミュレーションした結果、堤防がある場合には、島原半島に沿う流れや湾内に戻る流れが弱くなると解析。湾外に出た粒子が、北上ルートに乗ってタイラギ漁場のある佐賀県南西部・太良町沖に運ばれ、粘土化をもたらした可能性があるとの見方を示した。

 速水准教授は、堤防の閉め切りがこうした水中の粒子の移動の変化を引き起こし、「湾外の底質分布に影響した可能性がある」と指摘した。

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