気象情報会社「ウェザーニューズ」(本社・東京)は2010年、地球温暖化を監視する人工衛星を打ち上げる。温室効果ガスを観測し、北極、南極の海氷を撮影し、携帯電話にも配信する。国連に登録された日本の人工衛星は118機。国や大学の研究機関のものが多く、環境監視の目的で企業が打ち上げに成功すれば日本初となる。
人工衛星は20×20×15センチの超小型で重さは2〜3キロ。上空600〜800キロ、北極と南極を結ぶ極軌道を1日14〜15周する。
地上では世界各地に小型レーザー装置を設け、衛星と結ぶレーザー光の減衰から、二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスを観測する。
開発には東大、千葉大なども加わり、来春にはモデル機を完成させる。大型の人工衛星の打ち上げ時にロケットのすき間に載せる「ピギーバック(便乗)方式」で、打ち上げ費用を数千万円に抑える。レーザー施設の整備も合わせて当初費用は1億円を見込む。
データは、同社の携帯電話サービスの利用者に配信。船舶会社に協力を呼びかけ、海上のデータもとりたいという。将来的には、北極海周辺を航行する船舶に海氷情報を提供する構想もある。この海域は温暖化で氷が解け、商業航路としての可能性が高まっているからだ。
同社プロジェクト・グループリーダーの山本雅也さんは「コスト面で実現のめどは立った。衛星からのデータを地上で見ることで、地球温暖化への関心を持ってもらいたい」と話す。(大久保泰)
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〈人工衛星〉 上空3万6千キロの静止軌道を回る気象衛星や通信衛星は、開発費が数百億円、重さも数トンになる。一方、大学を中心に開発が盛んなのが1辺10センチ、重さ1キロ程度のサイコロ形の「キューブサット」だ。1機数百万円の開発費でできるという。ウェザーニューズ社が開発するのは、これより一回り大きいタイプとなる。