食糧と競合しない、日本初の「第2世代バイオ燃料」の開発プロジェクトが動き出す。稲わら・麦わらを原料に農林水産省の補助を受け、大成建設とサッポロビールが北海道で、三菱重工業などが兵庫県で、それぞれ実験プラントを設置する。
大成とサッポロは北海道恵庭市のサッポロ工場内に、三菱と財団法人ひょうご環境創造協会は兵庫県明石市と播磨町にある三菱の工場内に、それぞれ製造プラントを今年度内に造る。
製造能力は、それぞれ年間約1千リットル、800リットル。事業費はそれぞれ7億円、12億円で、ほとんどが農水省からの交付金。来年度からの燃料の製造を目指す。稲わら・麦わらは周辺の農家などから譲り受ける。
トウモロコシやサトウキビなどが原料の「第1世代バイオ燃料」は食糧高騰の要因と見られ、世界的に問題視されている。一方で、原料に稲わらなどを使う第2世代の場合、アルコールになりにくい成分を含むので、今は硫酸を使って溶かす作業が必要。タンクにステンレスを使ったり、産業廃棄物が増えたりしており、コストもかかる。
今回は、アルカリ水や高圧高温の水で、わらなどを下処理し、アルコールにしやすくする技術の開発を目指す。
また、稲わらなどの原料確保も課題だ。収穫時期に集中して、広いエリアから回収する必要があり、効率よく回収するシステムを作り上げることも実用化に向けたカギとなる。
現在1リットル=130〜160円程度のコストを90円にするのが目標。政府は10年以内の実用化を目指している。第2世代バイオ燃料の開発は、北海道洞爺湖サミットでも取り上げられる見込みで、福田首相が今回の計画をアピールする予定だという。(小山田研慈)