拡大会合の席に着いた各国首脳たち=9日午前8時46分、北海道洞爺湖町
議長国会見で、記者の質問に答える福田首相=9日午後3時55分、北海道留寿都村、松本敏之撮影
主要国と新興国など計22首脳が集まった北海道洞爺湖サミットは9日、閉幕した。最大の焦点だった地球温暖化対策では、主要8カ国(G8)が「2050年までの温室効果ガス排出量の半減」との世界全体の長期目標の共有をすべての国に求めることで一致。中国やインドなど新興国首脳からも数値に触れない形で支持を取り付けた。
長期目標は20〜30年までの中期目標とともに、京都議定書に続く13年以降の次期枠組みの一部として、09年末の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で採択される見通し。G8はCOP15に向け、新興国を含む全締約国に「50年半減」への賛同を求めていく。経済成長を阻害されたくない新興国側には反発もあり、温暖化を防ぐには、いかに目標を「共有」できるかが今後の焦点となる。
最終日の9日午前に開いた中国、インド、ブラジルなど8カ国を加えた主要排出国会議(MEM)の首脳会合では、長期目標をめぐる立場の溝が埋まらず、具体的な数字は盛り込まない形で「共有を支持する」と明記した首脳宣言を採択した。
MEMの継続では一致し、来年のサミット時にイタリアで首脳会合を開く。交渉筋によると、「50年半減」に韓国とオーストラリア、インドネシアが支持を表明したが、中国やインドなど残り5カ国は賛同しなかったという。
議長を務めた福田首相は9日午後、留寿都村の国際メディアセンターで記者会見し、「中印など新興国に対しても長期目標を共有し、国連交渉で採択されるようリーダーシップを発揮したい」と述べた。また、G8の首脳宣言にこの目標の合意が明記されなかったことについては、「米国を含むG8が合意していることを、当然の前提としている」との認識を示した。
9日に発表した議長総括では、アフリカなど貧困層を直撃している食糧価格高騰について「深刻な懸念を共有し、あらゆる対策をとる」と明記。生産国の輸出規制撤廃や国際的な備蓄制度の検討など、食糧問題の特別声明で示した合意の進展を協議するため、G8農業相会合を開くことを盛り込んだ。
また、世界経済については「インフレ圧力や金融市場の安定、保護主義との闘いに取り組む必要性に合意した」と総括。7月下旬に閣僚会合を開く世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)に触れ、「妥結に向かって努力する強い意思を表明した」と記した。
3日間に及んだサミットでは、初日にアフリカ7カ国首脳とともに「開発・アフリカ」を議論。2日目のG8のみの首脳会合では温暖化対策のほか、食糧や原油の高騰、北朝鮮問題を含む核などの不拡散・テロ対策などを議論した。北朝鮮問題については、福田首相は9日の会見で、「拉致を含む日朝関係の進展の重要性について、各国首脳から力強い支持と協力の表明があった」と述べた。ムガベ大統領による激しい野党弾圧が続くジンバブエ問題では、「国連安保理で合意されれば制裁も含むと考えている」と制裁の可能性に言及した。(村山祐介)