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クマと人の間合い探る 山形、捕獲に上限・箱わな規制

2009年4月20日9時0分

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写真生息調査のため山形大演習林近くで捕獲されたツキノワグマ=昨年10月23日、鶴岡市上名川

 雪が解け、各地でクマの目撃情報も出始める中、4月から初の「山形県ツキノワグマ保護管理計画」がスタートした。クマの年間捕獲頭数を「上限205頭」に制限。銃を使う春季捕獲を認める一方、無差別捕獲と批判される箱わな猟には歯止めをかけた。豊かな自然が残る山形で、クマとの共存を図るのがねらいだ。

 全国的にツキノワグマが大量出没した06年度、県内では過去最多の692頭が捕獲された。クマは県の「77%」の地域に生息し、07年6月の推定生息数は1500頭。隣接する秋田や福島県の約800頭、宮城県約300〜800頭、新潟県約600頭より多く、重要な生息地だという。

 県内のクマ捕獲数は、96年度以来200頭前後で、06年度だけが激増したものの、07年度は126頭、08年度は144頭(暫定値)だった。

 保護管理計画は、クマによる人身被害を防ぎ、農林業被害を軽減させながら、クマの地域個体群の安定的な維持を図るのを基本目標とする。

 捕獲数の上限は、過去の実績や生息状況調査などから今年は205頭。内訳は、村山60頭、置賜100頭、庄内20頭、最上25頭と支庁ごとに示し、この範囲内で各市町村の配分を調整する。県全体の上限を超える場合は、狩猟の自粛を要請するという。

 また4、5月の予察捕獲を「春季捕獲」と位置づけ、猟友会などが銃を使って残雪上のオスの成獣を対象に実施する。「マタギ文化」は重要な文化的遺産だと評価し、生息調査や子連れクマの捕獲禁止などの条件付きで、今年も計58頭の捕獲を許可した。

 一方、夏の捕獲はハチミツで誘う箱わなが一般的だ。07年度で県内に計324基あり、メスや子グマも無差別に捕まる。このため、箱わなの安易な使用は過剰捕獲につながると指摘。「捕獲は最終手段であり、追い払いを積極的に実施する」「箱わなは1回の申請で1基だけ、捕獲も1頭に限る」と制限した。

 クマを捕獲した場合は、捕獲年月日、捕獲位置、体重・推定年齢・体長、胃の内容物、妊娠の有無などを記入した個体票の提出を求める。

 捕獲したクマを殺さず、奥山などに運んで放す移動放獣にも試験的に取り組む。長野県などで数年前から実施されてきたが、効果を疑問視する声もある。このため、地元住民の理解が得られ、放す適地を確保したうえで実施する。

 保護管理計画の実施は秋田(02年)や岩手(03年)に後れを取ったが、箱わな対策を盛りこむなど内容では山形が一歩踏み出している。期間は11年度末までの3年間。(清水弟)

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