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北限のニホンザル、上野に20頭引っ越し 農業被害深刻

2009年4月22日10時46分

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写真上野動物園へ引き渡されるため、野猿公苑内の施設に収容されている「北限のサル」=青森県むつ市

 「北限のサル」として知られ、国の天然記念物に指定されている青森県下北半島のニホンザルを東京・上野動物園が飼育することになった。地元で数が増えすぎ、農業被害が深刻化したことから捕獲を進めており、うち約20匹を同動物園が引き取る。将来はサル山にいる「雑種」のサルと総入れ替えし、「純粋」なニホンザルとして来園者に展示する計画だ。

 23日に、サルが収容されている同県むつ市の野猿公苑で引き渡し式があり、サルは1匹ずつケージに入れられ、トラックで約600キロの東京に向け旅立つ。

 「北限のサル」はニホンザルの亜種のホンドザルで、サルとしては世界で最も緯度の高い地域に生息している。一時は森林伐採などで絶滅も心配されたが、最近は農作物を荒らすなどして年々、数が増え、今では約1800匹が半島にいるといわれる。

 このため個体数を減らして農業被害を軽減しようと、地元では県の保護管理計画に基づいて今年から270匹を上限に捕獲・殺処分する作戦を始めることに。すると、この話を聞いた上野動物園から引き取りの申し出が寄せられたという。捕獲は2月から始まり、これまで60匹以上をわなでつかまえた。

 上野は国内で最初のサル山ができた動物園。現在、36匹を飼育・展示している。しかし、ほとんどは西日本から連れてこられたニホンザルの亜種のヤクザルとホンドザルが交雑し、雑種化しているという。同動物園は、下北半島のサルを引き取る理由として「野生のもとでは、他のサルとの交雑や再び絶滅の危機にさらされる恐れもある。ニホンザルの固有亜種の保存目的もある」と説明する。

 園に到着後、しばらくは非公開の施設で飼育し、現在のサル山のサルは徐々に減らして、いずれはすべて入れ替え、「北限のサル」として展示するという。同動物園教育普及課の井田素靖係長は「農作物被害や捕獲の問題など、下北のニホンザルの現状を来園者にも伝えたい」と話している。(石毛良明)

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