豪雨をもたらす積乱雲が発生する段階から探知するレーダーの開発に文部科学省が着手する。局所的に起きる「ゲリラ豪雨」や航空機事故につながる乱気流の発生予測に役立つという。総額50億円を見込み、来年度の概算要求に開発費を盛り込む方針だ。
文科省によれば、極端に波長の短い電波を使い、大気中の水蒸気が雲になる前の微粒子の段階で検知できる技術を開発する。半径10〜80キロの地域を1分おきに観測できるレーダーの製作を目指す。積乱雲は狭い範囲で急速に発達するため、発生の予測が難しいが、成長していく過程を観察できるようになれば、約3時間前からゲリラ豪雨の発生が予測可能になるという。
開発を進めるのは防災科学技術研究所(茨城県つくば市)で、来年度から3〜5年で実用化を目指す。1時間くらい前から予測する技術は開発済みだという。
現在、気象庁が全国20カ所に設置している気象レーダーは、1基で半径数百キロの広い地域を観測できるが、雲までは探知できない。
昨年は、神戸市の川で水遊びの子どもら5人が死亡したり、都内の下水道内で作業をしていた5人が亡くなるなど、局所的な集中豪雨が原因の事故が相次いだ。(行方史郎)