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北上するサンゴ、漁業に悪影響も 環境研が定点監視へ

2009年8月8日8時33分

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写真千葉県館山市沖で見つかったエンタクミドリイシ。これまでの北限は静岡県・伊豆半島だった=国立環境研究所提供

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 サンゴの分布が北上する異変が国内の海で起きている。海水の温度の上昇で、本来なら死滅する種類のサンゴが生き残りやすくなっているからとみられる。漁業に悪影響を与える恐れもあり、国立環境研究所は少なくとも10年かけて大規模な定点監視調査に乗り出す。

 北上現象が確認されているのは、千葉県館山市沖、和歌山県南部の串本沖、長崎県の五島列島など。

 館山市沖では07年、それまで分布していなかったサンゴの一種エンタクミドリイシが発見された。伊豆半島が北限とされていた種類だ。

 串本では、それまでみられなかった南方系サンゴが特にたくさん見つかっている。串本海中公園センターの野村恵一・学芸員によると、90年代半ばからサオトメシコロサンゴやスギノキミドリイシなど23種の南方系サンゴが新たに定着。五島列島では08年、福岡大の杉原薫助教が北上したクシハダミドリイシの定着を確認した。

 サンゴの幼生は黒潮などの暖流によって本州や四国などの沿岸に運ばれるが、南方系の種類は通常、水温の下がる冬に死滅し、大きくなれない。国立環境研究所の山野博哉・主任研究員によると、館山市沖では最も寒い2月の平均水温が85年以降、年0.06度のペースで上昇しつつある。気象庁による観測でも、館山周辺海域では過去100年間に約1度上昇したことが分かっている。

 サンゴが増加すると、それまで生えていた海藻類が減り、そこをすみかとする魚も減る恐れがある。

 国環研は、本州や四国、九州の計8カ所で北上現象を定点監視する計画を進めている。北上してきたサンゴの種類や量を把握するほか、定着後の成長や死滅などの状況を追跡調査する。海底に3メートル四方の枠を複数設置し、枠の内側をモニタリングする方法が検討されている。地球温暖化との関連も探る。(山本智之)

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