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富士山、見える範囲広がった? 都心からの観測は増加

2010年4月5日4時32分

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写真写真愛好家の京本孝司さんと仲賢さんが2001年9月、和歌山県那智勝浦町の妙法山小麦峠から富士山の撮影に成功した(700ミリ望遠レンズで撮影)。峠はその後、色川富士見峠に改名された

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グラフ

 いったいどれだけ離れたところから富士山は見えるんだろう――。民間の気象会社が情報を募ったところ、200キロも離れた栃木県から見えたという情報が寄せられた。東京都内からの観測では年々、見える日が増えているというデータもあり、どうやら大気の状況が影響しているようだ。

 ウェザーニューズが各地の人々から情報を集めた。同社に届いた富士山(3776メートル)が写った写真の中で最も遠かったのは、北は約200キロ離れた栃木県大田原市、西は約150キロ離れた愛知県田原市、南では約100キロ離れた伊豆諸島の東京都・利島だった。

 インターネット上で「山尾望」のペンネームを持つ筑波大学付属高校の地理教諭、田代博さん(60)は富士山の遠望記録などをまとめ、昨年暮れに「今日はなんの日、富士山の日」(新日本出版社)を出版。

 同書によると、真北では新潟県と長野県境の苗場山(富士山から165キロ)、北限は福島県の日山(同299キロ)、東は千葉県犬吠埼の銚子ポートタワー(同198キロ)、南東は八丈島の三原山(同271キロ)。南西は和歌山県の妙法山色川富士見峠(322.9キロ)で、これが最も遠くから見える場所だという。

 田代さんによると、地図データなどを使って富士山が見える範囲をコンピューターでシミュレーションした結果、北は福島から西は京都までの20都府県あった。一方で「見えるかもしれない」と言われていたが、山地などが邪魔をして見えないと結論づけているのが、名古屋市のテレビ塔や伊吹山(滋賀県)だ。田代さんが今、注目しているのは最北地点。最近になって、約300キロ離れた福島県の麓山(はやま)から富士山が撮影され、さらに遠方への期待が膨らむ。

 都内から富士山が見える日も増加傾向だ。1963年から毎朝、富士山(南西約85キロ)を観測している成蹊中学・高校の気象観測所(東京都武蔵野市)では、富士山が見えた「富士見日数」は65年の年間22日を最低に、70年代から増え始め、99年に初めて100日を超えた。昨年も101日を記録した。

 観測所長を務める地学教諭の宮下敦さん(50)は「60年代に比べ大気中の粉じんが減り、都心部ではヒートアイランドなどで乾燥化が進んで霧などが減っているため、遠方からも富士山が見えるようになっているのだろう」と話す。ウェザーニューズは今後も、どれだけ遠くから見えるか調査を続けるという。(大久保泰)

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