サンシャイン国際水族館(東京都豊島区)は、南米アマゾンに生息し、「人食い魚」として知られるブルーカンディルやピラニアを紹介するイベントを始めた。現地でピラニア以上に恐れられるナマズの一種・ブルーカンディルを国内で見られるのは珍しく、同水族館が再オープンに向けて一時閉館する8月31日まで展示される。(アサヒ・コム編集部)
ブルーカンディルはナマズの仲間で、南米の熱帯地方に生息する肉食の淡水魚。一見すると体長10センチあまりの銀色の小魚だが、成長すると30センチ前後になる。獲物をみつけると集団で襲いかかり、小さな体を回転させながら肉をえぐるように食べる。自分より大きな他の魚が排出するアンモニアに反応し、体内に侵入しようとする性質を持つ。時には人間も襲うことから、地元では毒のトゲを持つ淡水エイと並び、人食いで知られるピラニア以上に恐れられている。
イベントではピラニアも展示されている。性質は臆病(おくびょう)で警戒心が強いが、血を見ると興奮し、群れとなって獲物を襲う。1日1回の給餌(きゅうじ)で、えさのシシャモに食らいつくシーンは迫力たっぷり。今回のイベントを企画したサンシャイン国際水族館の瀬川裕啓・課長代理は「日本ではまだなじみのない生き物たちを間近に見てもらい、自然の奥深さを感じてもらえれば」と話す。
1978年にオープンしたサンシャイン国際水族館は、地上約40メートルの高さの高層ビルにある水族館として知られ、開業以来の入場者は3500万人を突破。都心の水族館として親しまれてきたが、今年8月いっぱいで休館し、全面リニューアルする。2011年夏に再オープンする予定で、「都心の天空オアシス」をコンセプトに空中庭園などを充実させる計画だ。現在いる約750種約3万7000点の魚や動物たちは一時ほかの水族館などに預けられ、一部は再オープン後に戻ってくるという。