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北ア立山連峰に国内初の氷河? 画期的発見へGPS探査

2010年10月17日5時0分

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写真氷河かどうかの調査が進められている御前沢雪渓=富山県の立山連峰・雄山山頂付近、雨宮徹撮影

写真御前沢雪渓に設置されたGPS測定用のポール=立山カルデラ砂防博物館提供

地図

 富山県の北アルプス立山連峰の雄山(おやま、標高3003メートル)で、確認されれば現存するものとしては国内初となる氷河の調査が進んでいる。これまでに雪渓の一つで国内最大級の氷の塊の「氷体」が見つかり、年間1メートル前後動いている可能性がある。8月末からは、全地球測位システム(GPS)を利用し、氷体が実際に移動しているかどうか探っている。

 国立極地研究所(東京都)によると、越年性の雪渓は、北アルプスや北海道など国内に数百カ所あるが、雪渓の下に氷体があるものはごく一部。氷体が氷河と認められるには、1年以上継続的に動いていることが条件となる。極東アジアでは、ロシア・カムチャツカ半島以北で確認されているのみだ。

 今回の調査対象は、雄山の真東にある御前沢(ごぜんさわ)雪渓。立山カルデラ砂防博物館(富山県立山町)の福井幸太郎学芸員(37)らが昨秋、特殊なレーダーで内部を調べたところ、雪渓の地下全体にわたって氷体があることが分かった。長さ700〜800メートルで、幅は最大200メートル、厚さは最大で30メートルと推測される。氷河に見られる穴「ムーラン」が確認されたほか、氷体内に氷河特有の斜めの断層があり、以前は動いていたと考えられるという。

 福井さんらは今年8月末、雪渓の中央部にドリルで直径5〜6センチの穴を開け、氷体に届くよう高さ3メートルのポールを15本埋め込んだ。先端にGPS用の機器を取り付け、10月下旬までの2カ月間にわたって、氷体が移動しているかどうかを調べている。

 雪渓の傾斜や、氷体の大きさから、計算上は年間で0.7メートル〜1.6メートルは動いていると推測されるという。

 国立極地研究所の藤井理行所長は「国内に現存する氷河はないと考えられてきただけに、実際に氷体の移動が確認できれば画期的な発見だ。ただ、積もった雪の重みで冬の間だけ動いていたりする可能性もあるので、数年間の連続した調査が必要だろう」と話す。(天野彰人)

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