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ゾウのフンから再生紙づくり 文京学院大生が実演へ

2010年10月19日0時34分

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写真ゾウのフンに含まれる草などの繊維が柄を織りなす再生紙。青やオレンジの台紙に取り付け、環境フェアで活動を紹介する予定だ

写真ゾウのフン(手前)を手に持って談笑する学生たち=ふじみ野市の文京学院大学

 ゾウのうんちから、美しい草模様の再生紙を作ろう――。文京学院大学(ふじみ野市)の学生がこんな活動を始めた。タイの山奥で傷ついたゾウを助けられればという夢もある。ふじみ野市で23日に開かれる市環境フェアで紹介する。

 手のひらにズシリと感じる重さ1キロ超の特大うんち。人間学部の中山智晴准教授(50)のゼミでは、これをぐつぐつと煮込んで紙の材料にする。

 完成した紙は、ゾウが食べた牧草が柄を織りなす。住宅の壁紙にも見劣りしない見栄え。中山准教授や学生は、愛情をこめて「ゾウさんのポットンペーパー」「ぞうさんのおくりもの」などと呼んでいる。

 フンは、横浜市立よこはま動物園ズーラシアからアジアゾウのものを無償で譲り受ける。約70%が牧草など未消化の繊維で、ズーラシアの担当者は「若いゾウで、1日80〜100キロの牧草を食べる。フンも同じぐらい出ます」。

 中心メンバーの吉池和代さん(2年)は「煮込み段階までは結構くさい。紙に出る草柄の長短はミキサーにかける時間で調節します」と話す。

 活動を始めるきっかけは、同大環境教育研究センター長を務める中山准教授の体験だ。

 「ゾウ使いになりたい」と約12年前、タイ北部のゾウ専門病院で訓練を受けた。その時、ゾウが山林の木材の切り出しなどに酷使されていることを知ったという。

 「伐採された木材が日本に多く輸出されるとも聞いた。傷ついたゾウと日本人の生活が実はつながっている」と中山准教授。

 「専門病院は薬を買う金にも困っている。ゾウのリハビリを手伝う活動を日本でもできないか」。ゼミ生に長年あたためてきた「紙づくり」の構想を持ちかけると、「面白そう」と乗ってきたという。

 そこで、親交のあったズーラシアの担当者に協力を要請。ゼミ生は3月、動物園に出向き、ゾウのフンを使った紙づくりのノウハウを学んだ。これまで30〜40枚のメッセージカードにつける「リサイクル紙」を作ったという。

 23日の市環境フェアは、福岡中央公園で午前10時から午後3時まで。工程の一部を実演するほか、乾燥させた実物のフンも展示する予定だ。

 「紙がきれいに仕上がったら、小学生に絵を描いてもらって、絵本も作りたい」と吉池さん。様々な機会を利用して、市民に「紙」を買ってもらい、収益をタイのゾウ専門病院に送りたいという。

 「タイの傷ついたゾウのフンを使った紙や、その紙で絵本を作って、収益を薬や治療代にあてる仕組みをつくることができれば素晴らしい」と話している。(加藤真太郎)

     ◇

 まずフンを1週間水に浸す。次に、鍋の中に微量の水酸化ナトリウムを入れた水、フンを入れて約1時間煮込む。沸騰し始めたら1時間放置。中身をざるに移して水洗いを繰り返し、再生紙に使う繊維部分だけを取り出す。それ以外は、学生がサツマイモなどを栽培する大学内の畑に肥料としてまく。

 あとは紙すきとほぼ同じ工程。裁断されたOA用紙などの古紙とフンの繊維を家庭用のミキサーへ。どろどろになった紙の原料をすき板に浮かべて流し込む。布や古新聞で何度も水分をとり、最後はアイロンで乾かして完成。

 【主な材料と使う器具】

 ゾウのフン1玉1.2キロ、水酸化ナトリウム少量、古紙、水槽、鍋、おたま、ミキサー、新聞紙、タオル、コンロ、ざる、木枠(横12センチ、縦17センチ)、網(同上)、アイロン、ボウルなど。

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