ミカンジュースの搾りかすから「バイオエタノール燃料」をつくる県の実証プラントが25日、ジュースなどを製造している「えひめ飲料」松山工場内(松山市安城寺町)で完成した。プラントは11月中旬から稼働し、1日あたり最大200トンの搾りかすから5キロリットルの燃料がつくられるという。ミカンの搾りかすから同燃料を製造する試みは全国初という。
県によると、県内では年間約2万トンのミカンジュースが製造されており、ほぼ同じ量の搾りかすが出ている。搾りかすはこれまで、乾燥させて家畜飼料の原料の一部として再利用しているが、コストがかかるという。
県は2008年、環境省から地球温暖化対策技術開発事業の採択を受け、ミカンの搾りかすからバイオエタノール燃料を製造する技術開発を、えひめ飲料、愛媛大、新日鉄エンジニアリングと共同で実施。今年4月に実証プラントを着工していた。プラントの敷地面積は約1500平方メートル。総工費は約13億5千万円で全額国費という。
実証プラントでは、えひめ飲料松山工場から出た搾りかすをさらに搾った「脱汁液」を原材料とし、発酵を阻害する油分などを取り除いた後、酵母を使って発酵させる。さらに、蒸留などの工程を経て、ボイラー用として使用されるエタノール濃度90%の燃料と、ガソリンに混ぜて自動車用に使われる同99.5%の燃料を製造する。
できた燃料は、同工場内のボイラーで燃焼実験をするほか、ガソリンに混ぜて県内公用車などでの使用を検討している。ガソリンに混ぜて使用した場合、1日あたり6.4トンの二酸化炭素の排出削減につながるという。来年2月まで実証試験を実施し、技術確立をめざす。(小池竜太)